変化で動く主導権
リーグ戦ではここ5試合未勝利。中盤で離脱者が出るようになってから成績が右肩下がりになってきたニューカッスル。混沌としてきた4位争いを制するためにもそろそろ未勝利には歯止めをかけたいところ。対するは前節同じく4位争いを演じているトッテナムを打ち破っているウルブスである。
ボールを持つことになったのはニューカッスル。ウルブスはバックラインにボールを持たれることを許容し、ミドルゾーンで構えながら守ることを選択。陣形をコンパクトに保つことを優先した格好だ。
ニューカッスルはボールを持たされるという状況にうまく対応したように見えた。サイドでのトライアングルから抜け出す選手を作り敵陣に迫っていたし、外に広げるアクションを挟むことでファウルを獲得することもできていた。
10分にはニューカッスルはハイプレスをスタート。ウルブスのバックラインはプレッシャーを受けてしまいうまく前進の機会を掴むことが出来ずに固まってしまう。
時間の経過とともにウルブスはカウンターに移行する機会も出てくるように。段々と反撃の機運が高まってきたウルブスだが、ニューカッスルは保持での主導権を逃がさなかったため、流れはニューカッスルペースから動かなかった。26分にはイサクが先制点を挙げることに成功する。
後半はウルブスがフォーメーションを変更したことで試合は前半とは異なる顔を見せる。フォーメーションはポデンスをトップ下気味に置く4-3-1-2でニューカッスルのバックラインに積極的にプレッシャーをかけていく。時にはGKにまでプレッシャーに行くくらいにはウルブスはグイグイしていた。前半と違うスタンスだったウルブスにニューカッスルはやや戸惑い気味になるという展開だった。
4-3-1-2なので幅を取るのはSB。前半と比べて明らかに攻撃に傾倒するスタイルでウルブスはニューカッスルに反撃を仕掛けていく。勢いに乗るウルブスはプレスから同点。ファン・ヒチャンのゴールで追いつくことに成功する。
ウルブスは選手交代のたびにフォーメーションをころころ変えており、ニューカッスルは対応に困惑気味だった。基本的にはこの試みは有効だったように思えたが、最後の5-4-1だけは勢いをしぼませてしまう形になっていたように思える。
よって終盤に勢いを取り戻したニューカッスル。未勝利の長いトンネルに終止符を打ったのはアルミロン。大きな決勝ゴールでチームに久しぶりの勝利をもたらす一撃をお見舞い。長く苦しんだニューカッスルだが4位争いにもう一度名乗りをあげる大きな勝利を挙げた。
ひとこと
後半はウルブスがだいぶ厄介に変身していたのだが、流れと関係なく変身を繰り返していたのが最後は裏目に出たように見えた。変化で主導権を握り、変化で主導権を手放していたように見えた。
試合結果
2023.3.12
プレミアリーグ 第27節
ニューカッスル 2-1 ウォルバーハンプトン
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:26′ イサク, 79′ アルミロン
WOL:70′ ヒチャン
主審:アンディ・マドレー