両エースが貫禄のゴールで牽引
イタリア国内での素晴らしい実績を引っ提げてついにCLに出陣するナポリ。その前夜といえる今節のリーグ戦はフライデーナイトにおけるサッスオーロ戦である。
ホームのサッスオーロはバックラインまでにはプレッシャーをかけなかったものの、中盤をマンツー気味に追いかけまわすという形でプレッシャーをかけて来た。よってナポリはまずはこのハイプレスのマンツーを中盤から先で外すことが求められる。
狙いとなるのは相手のWGである。大きく開くCBからWGを釣りだすと、その背後をSBが使うことで脱出する。SBがフリーであれば、中盤は捕まっていても壁パスで脱出は出来るので、ナポリとしてはそこまで難しくないタイプのビルドアップのパズルだった。バックラインからのキャリーから中盤に突撃というパターンでの相手の受け渡し強要も問題なく行うことが出来ており、サッスオーロの中盤には迷いを与えていた。
そんな中盤からデュエルを制したのはクワラツヘリア。中盤でボールを引き取ると一気に加速。そのままゴールまで突き進み先制点を奪い取る。股抜きでDFを出し抜く見事なフィニッシュだった。
先制点後のサッスオーロはなかなかラインが上がらずに苦戦。敵陣までボールを運ぶことさえできれば、左サイドの多角形を軸にゴールに迫ることが出来ていたので、問題はその機会をどのように増やすかに絞られていた感があった。
追加点の決め手になったのはそうしたラインを上げる動きを阻害するオシムヘン。右サイドの裏抜けで角度のないところからゴールを奪って見せる。相手のサイドで背負っていたはずがいつの間にかボールがネットに入っているのだから不思議なものである。
サッスオーロもフラッテージのスルーパスからネットを揺らすが、これはオフサイド判定。追撃弾を得ることができない。
後半、ナポリは3点目を目指してラッシュをかける。ミンジェの積極的な後方の迎撃からナポリは波状攻撃を行いながら猛攻を仕掛けるがなかなか3点目が遠い。
3点目を許さないところで反撃に出たいサッスオーロはフラッテージが敵陣深いところでFKを奪い取りチャンスを迎えるがこれは枠外。貴重な機会を生かせない。
それでもサッスオーロはそれなりにナポリを追い詰めている手ごたえはあったはずだ。どんな時でもマイペースに敵陣ゴールを狙い続けるナポリが終盤ペースダウンして時間稼ぎを始めたのはサッスオーロの攻撃に十分な可能性を感じたからだろう。
ライン間のパスを通したり、左サイドからのカットインなどから徐々にナポリのゴールに迫ってくるサッスオーロ。だが、終盤に得点を奪ったのはまたしてもナポリ。試合を仕留める3点目を決めて完勝。CLに向けて弾みがつく勝ち点3を挙げた。
ひとこと
危うい時間帯もあったが結果的に3-0なのだからさすがである。オシムヘン、クワラツヘリアというタレント力で押し切る形でひとまず結果が欲しい日程できっちり結果を出してみせた。
試合結果
2023.2.17
セリエA 第23節
サッスオーロ 0-3 ナポリ
マペイ・スタジアム
【得点者】
NAP:12′ クワラツヘリア, 33′ オシムヘン
主審:アンドレア・コロンボ