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「Catch up Serie A」~2023.2.26 セリエA 第24節 ボローニャ×インテル ハイライト

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強引な縦パスが裏目に出る

 インテルをレナト・ダッラーラに迎える一戦はチアゴ・モッタにとっては重要な古巣対決。CLの勝利で勢いに乗るインテルにモッタはどのように相対するのかに注目が集まる一戦となった。

 まず、ボローニャの保持はスマートだったといえるだろう。長いボールを積極的に蹴ることはそこまで多くはない。バックラインが深い位置を取りながらボールを持ち、インテルのプレス隊と駆け引きをする。

 ボローニャのバックラインはボールを基本的にはサイドに付ける。ここから相手の3センターの脇、もしくはDFラインの背後を狙う。このあたりはインテルが空けているスペースを優先的に。自分たちの攻撃ルートよりも相手が動いたところからという理屈を優先しているように見えた。

 ボローニャの攻撃は相手の3センターが横に動いたのと逆サイドにボールを届けることで完了する。すなわち、初手のサイドへの運びでインテルの3センターをスライドさせ、逆サイドの3センターの脇に顏を出した選手からフィニッシュを狙うという形である。

 逆サイドがオーバーラップするタイミングは秀逸。このあたりはチームとしての連携を色濃く感じる部分。また角度のないところからのミドルの積極性と精度は3センターの脇を取るという攻撃の出口との相性もとてもよかったといえる。

 インテルは3センターがスライドしきるところでプレッシャーが間に合えば問題はなかった。ボローニャは仕方なく前に蹴ることになり、こうしたアバウトなボールは全てインテルに回収されていた。ただし、動いたにも関わらず、この場面が後手に回ると、かなり無理のあるポジションチェンジを強いられることになり、一気に苦戦することになる。

 保持に移ってもインテルはなかなかパッとしない。WBを採用するインテルの布陣は、ボローニャと同じく手薄なサイドにボールをスマートにつけることができればそこから奥行きを取ることができる。ただ、この日のインテルはそのスピード感にかけていたことが頭が痛かった。ボローニャのプレスがあまり色気を出さずにコンパクトな布陣を保つことを優先したこともインテルにとってはツキがなかったといえるだろう。

 ただ、インテルにとってはクロスを上げる形がシンプルでOKなのは救いだった。インサイドのルカクとラウタロ・マルティネスはパワーとポジショニングで勝負できる選手なので、インサイドに上げることさえできてしまえば何か起きる予感はあった。問題はボールを取り返すフェーズと運ぶフェーズで難があるため、こうした機会を稼ぐことが容易じゃないことだけども。

 後半、インテルはハイプレスで主導権を握っていこうという選択を行う。相手を捕まえられるかが肝になっていた前半を見れば、比較的自然に受け入れられるプランである。

 ボローニャはこれに対して、やや屈した印象だ。前進の動きが弱くなってしまい、徐々にインテルにカットされる場面が増えるようになってくる。

 インテルはボールを入れるほうでも強気なスタンスを出していく。サイドにボールを付けることを優先していた序盤に比べると、インサイドに強引にボールを付ける機会は徐々に増加。より直線的にゴールに迫っていく形を作っていく。

 しかし、インテルの縦パスの攻勢は精度が伴わずボローニャにカウンターのチャンスを与えてしまうように。ボローニャはインテルの強気のスタンスを逆手にとって先行。ダンブロージオの縦パスが弱くなったところをカットし、カウンターからオルソリーニが先制ゴールを挙げる。

 貴重な先制点を守り切ったボローニャ。相手の嫌なことをきっちりし続けた結果が勝ち点3というご褒美で帰ってきた印象だ。

ひとこと

 堅実で相手を見てサッカーできるボローニャのスタイルはとても好感が持てる。こういうチームをたまに見ると、CL予習で他国を見る楽しみを感じてしまう。

試合結果

2023.2.24
セリエA 第24節
ボローニャ 1-0 インテル
スタディオ・レナト・ダッラーラ
【得点者】
BOL:76‘ オルソリーニ
主審:ダニエレ・オルサト

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