PK合戦の終盤戦はホームチームが金星を獲得
どちらのチームも基本的なフォーメーションは3バック。バックラインからショートパスをつないでいこうという姿勢も両チーム共通のものだった。
スペツィアはニコラオウとアグデロがいる左サイドから攻撃を組み立てていく。右サイドも基本的には人数をかけながら。ロングボールは回数は少なかったが、大体あっさり競り負けていた。よって、ボールをつなぐしかない!ということなのだろう。
それに比べればインテルのボール保持は能動的なものだったといえる。同じ3バックでも中盤の数的優位があるのがインテルなので、相手の中盤を動かしながら2トップにボールを入れるという手順をいつもよりも踏みやすかった。
中央で起点を作れるインテルは早々に決定機をゲット。ダンブロージオの飛び出しをラウタロがロングパスで活用。後手に回ったカルダラがPKを献上することに。しかし、このPKはラウタロが失敗。先制のチャンスを逃してしまう。
PK失敗後もボールを持ちながら相手を動かしていくインテル。ラウタロには41分にカウンターからリベンジのチャンスもあったが、この日は彼の日ではなかった。それでもインテルの優位は動かず。後方の攻め上がりのサポートが安定していたインテルは優勢に試合を運んでいく。アグデロの個人技からポストを叩いた場面を除けば、スペツィアにそこまで大きなチャンスを与えなかった。
しかしながら、インテルはアタッキングサードへの侵入を焦るあまり、突っこんできてシュートを吹かす場面が多発。ちょっと抜け出す場面で力を使いすぎていく感もある。
スペツィアは後半2枚替えで4バックのようにも見える形に移行する。ちょっとポジションがファジーで基本となる配置を掴み切れなかった。インテルはサイドでのクロスを中心にシフトチェンジを行い、敵陣深くでのプレータイムを増やしていく。
だが、先制点を掴んだのはインテルではなくスペツィア。エンゾラのキープから飛び出したマルディーニのシュートで先制。前半ひたすらインテルがふかしていた抜け出しからのシュートを冷静に沈め、リードを奪うことに成功する。
インテルはビハインドになってもクロス攻勢で対抗。66分には4枚交代という荒療治で前線を増やして点差を詰めにかかる。
80分を過ぎたところでようやくインテルはPKを獲得。これをルカクが仕留めてここから逆転を狙う。しかし、直後にまさかのスペツィアへのPK判定。エンゾラが決勝点となるゴールを決めてスペツィアがものの数分で再びリード。
最後は苦しんだスペツィアだが、見事に終盤のゴールで逃げ切りに成功。強敵を下し、大きな金星を本拠地のファンに届けた。
ひとこと
シュートがことごとく上に抜けていくインテルはそういう日だったのか、それとも理由があるのかは気になるところ。やたら力んでいるように見えたけど。
試合結果
2023.3.10
セリエA 第26節
スペツィア 2-1 インテル
スタディオ・アルベルト・ピッコ
【得点者】
SPE:55‘ マルディーニ, 87’(PK) エンゾラ
INT:83‘(PK) ルカク
主審:リビオ・マリネッリ