■最後はお金で解決
負傷者が多発してスカッドのやりくりが厳しくなっているリーズ。前節の交代カードなんかを見ると学徒動員感が否めない感じであった。それでも数人の負傷者が戻ってきたのは朗報。特に前節負傷交代したラフィーニャが大した怪我ではなかったのには非常に胸をなでおろしただろう。
泥沼の未勝利地獄から抜け出す兆しの見えないノリッジとの一戦は立ち上がりからよく言えばおおらかな、悪く言えば互いに間延びした展開になった。どちらのチームも早い攻撃が得意ではあるので、この展開は攻撃面での良さを出すという意味ではそれなりにアリだったのかもしれない。
特に、遅攻による定点攻撃の崩しという選択肢のないノリッジにとっては、この展開は非常にありがたかったはず。多少前に進む攻撃が遅れたとしても、基本線としてリーズはプレッシングの姿勢は崩さないので、裏を取ることで直線的にゴール前まで進めるという選択肢がなくなることはなかった。
特にノリッジが狙っていたのはリーズの左サイドの裏側。幅を取る意識がそこまで高くないダラスと守備面で適応し切れていない部分があるジェームズの裏をアーロンズやダウエルを中心に攻めていくことが出来ていた。
対するリーズも前進は問題なし。ノリッジは行ける!と踏んだのかWBも含めて普段よりも積極的なプレスを仕掛けてきたが、サイドから奥に進み一度ラインを下げさせればやり直しは十分に可能。フィリップスを軸にゲームを組み立てるのは難しくはなかった。
加えてある程度メンバーが戻ってきたことでラン&ガンスタイルも復活。右サイドのラフィーニャは速攻の槍としてだけでなく、裏抜けによるポゼッションの緊急避難先としても機能。この右サイドで主導権を握れたのは大きかった。あとはハリソンが不器用ではあるものの、不慣れな最前線でつぶれ役として頑張っていたのはなんか心を打たれた。
同じような縦に早い攻撃は出来ていた両チーム。その中で差を分けたのは前線のアタッカーの質である。この22人ならば真っ先に名前が挙がるのはラフィーニャだろう。先制点は彼の右サイドでの一撃から。何とか彼につないだジェームズもよく粘った感のある得点で苦しみながらも前に出る。
直後のセットプレーからオモバミデレの同点弾で追いついたノリッジだったが、さらにその直後に得点を取ったのはロドリゴ。反応が遅れたクルルはミドルを防ぐことが出来ず、再びノリッジに勝ち越しを許してしまう。
ロドリゴ、ラフィーニャと昨季お金を払って取った戦力の質で競り勝ったリーズ。カウンターの質勝負で今季2勝目を手にすることができた。
試合結果
2021.10.31
プレミアリーグ 第10節
ノリッジ 1-2 リーズ
キャロウ・ロード
【得点者】
NOR:58′ オモバミデレ
LEE:56′ ラフィーニャ, 60′ ロドリゴ
主審:アンソニー・テイラー