激戦の決着は左足一振り
パリはCLでも猛威を振るった3人が揃ってスターター。ホームで難敵のリールを迎えうつ。パリの3トップはプレッシングにはいけないので、試合のテンポが上がるかどうかは相手による部分が大きい。
リールは比較的はっきりとスピードアップを狙ったスタートだった。右サイドの裏を突くことで相手のラインを一気に下げて、こちらのサイドに守備陣を引き寄せてから空いた左サイドを活用。リールはやや不安定なパフォーマンスを繰り返すキンペンベのところを狙うようにスピード勝負を仕掛けていた。
一方のパリもサイドで幅を取りつつライン間のムバッペにボールを刺すことで加速する。よって、互いに早いテンポでのデュエルが増える序盤戦となった。
しかし、正面を切ってのデュエルは流石にパリ相手には分が悪い。ムバッペの先制点は率直に言ってやばかった。2人の間に入り込んで切り裂き、3人目を交わして先制ゴール。リールは3人目として飛び込んだフォンテが怪我してしまうという踏んだり蹴ったりな展開だった。
続く2点目もパリならでは。ライン間のネイマールから攻撃が加速すると、左のメンデスで幅を広げ、逆サイドに走り込んだヴィチーニャを活用。最後はゴール前に走り込んだネイマールが追加点を奪うことに成功した。
リールもライン間を活用するという点ではパリと同じアプローチを採用。それなりに前進はできていたが、やはり精度という面では及ばない。だからこそ、セットプレーで奪った追撃弾は貴重なものだった。
この追撃弾からリズムを得たのかリールはこれ以降の前半の主導権を握ることに成功。パリもスポットでやり返すことはできてはいたが、細かいパスワークでの打開が板につき、残りの時間帯はリールが相手のゴールに迫る機会を増やしていく。
後半、ペースを取り戻したいパリだが、ネイマールの負傷により3トップの一角が崩れるとペースを取り戻せずに苦戦する時間帯が続くことになる。流石にエキチケにこの3人と同等の働きをするのは荷が重い。リールはプレスからリズムを掴むと、58分に PKを獲得して同点。ついにスコアを振り出しに戻す。ヴェラッティは痛恨のPKを献上してしまった。
同点になってなおリールの勢いは止まらない。バンバの一発の抜け出しから勝ち越しゴールを決めて、ついにこの試合初めてのリードを奪う。
このままリールが勝利を収めるかと思いきや、ここから役者たちが仕事を始める。左サイドに入ったザイール・エメリの助太刀を受けたベルナトが抜け出すと、最後に決めたのはエムバペ。残りわずかな時間で同点に追いつく。
そして完璧な物語のトリを飾ったのはメッシ。この激戦の決着を左足一振りというのはいかにもメッシらしい。直接FKを決めて逆転勝利を演出。スコア以上に盛り上がる勝利を決めたパリ。バイエルンへのリベンジの一歩目を華麗に踏み出すことに成功した。
ひとこと
メッシ、FKっていうのがまたね。。
試合結果
2023.2.19
リーグアン 第24節
パリ・サンジェルマン 4-3 リール
パルク・デ・フランス
【得点者】
PSG:11′ 87′ ムバッペ, 17′ ネイマール, 90+5′ メッシ
LOSC:24′ ディアキテ, 58′(PK) デイビッド, 69′ バンバ
主審:ウィリー・デラジョー
