■隙に付け入る前にゲームセット
Bグループの本命と目されるベルギー。初陣の相手は自国開催の前回のワールドカップで躍進したロシアである。
ボールを握ったのはベルギー。3CBで後方に数的優位を作り、ポゼッションで落ち着きを作る。ただし、そこから先の前進の手段が見えにくいのが難点。特に中盤を使った前進があまり多くなかった。充実したシーズンを過ごし、今大会でも大きな期待を背負っているティーレマンスだが、この試合はあまりうまく入れなかったように見える。
ロシアはとにかく前線のジューバにボールを当てることが最優先。何せでかい。あと、地味に器用で左右に動きながらもボールを収めることができる。彼の周りに1人置くことさえできれば高い位置で前を向ける選手を作ることができる。
そして、彼に長いボールが入ると会場がとても盛り上がる。おそらく、有観客で自国での試合というのは大きいと思う。ちょっとギャグっぽいけど、この手段をうまく味方につけている感はなんか相手からすると厄介な気がする。
保持はできるけど難はあるベルギー。前進の手段があるロシアにとっては十分に付け入るスキがある相手のように思えた。しかし、早々に痛恨のミスからみで失点を喫してしまう。クリアミスをしてしまったセミニョフはこれ以降もアワアワする姿が見受けられ、開幕戦という舞台に浮足立っていた感が否めなかった。
前半のうちに2点目を取って試合の大勢を決めたベルギー。トルカン・アザールのクロスのこぼれをムニエが押し込んで勝ち点3を大きく引き寄せた。
後半は負傷者が両チームに出たこともあり、ややトーンダウンした展開に。そんな中でも絶好調だったのはルカク。インテルでの充実なシーズンをEUROでも開放するようなパフォーマンス。ボールを引き出して良し、ドリブルで進んでも良しと状態の良さをうかがわせた。
逆にまだ時間がかかりそうなのはエデン・アザール。この試合では試運転にとどまったが、彼と負傷のデ・ブライネがどれだけ状態を上げてこれるかがノックアウトラウンドを見据えた伸びしろになってくるだろう。
試合結果
ベルギー 3-0 ロシア
サンクトペテルブルク・スタジアム
【得点者】
BEL:10′ 88′ ルカク, 34′ ムニエ
主審:アントニオ・マテウ・ラオス