■見せ場はあるも拙い試合運び
オマーンはトレードマークである4-4-2ダイヤモンドを封印。4-4-2フラットという新しい形でこの試合に臨んだ。おそらくこれはベトナムの布陣に対応するためだろう。ベトナムは5バックで中央を固めて後ろ重心ということで、SBにフリーで時間を得させるためにということではないだろうか。結果的にベトナムはこの日、普段の5-4-1ではなく5-3-2だったため、いつもよりサイドに人をおいたオマーンの形はさらにハマるようになっている。
サイドから安全にボールを進めることができているオマーン。ただ、ここから先に何か工夫があるか?と言われると特にそういうわけでもない。だけども、押し込んでおけば事故るのが今のベトナムの守備陣のレベル。ラインコントロールは怪しいし、跳ね返しにも強くない。
そして案の定、事故ってしまうベトナム。PK判定は少し意外な形で背後の相手に振った腕が当たったことが起因になっていた。しかしながら、これはアルハルディがミス。オマーンは先制点を得るチャンスを逃す。
ベトナムはライン間のグエン・コン・フォンやグエン・クアン・ハイに楔を入れて前を向いてもらうことでチャンスメイク。ただし、ターンまで自力でやってね!という感じ。結構な難題だけど、これができていたときは前進できていた。
しかし、先制点はややジリ貧気味のベトナムから。しかもほぼ奇襲と言っていいハイプレスから。ホー・タン・タイのボール奪取からショートカウンターが発動し、グエン・ティン・リンのゴールで先手をとる。
だが、オマーンもすぐに追いつく。終始優勢だったセットプレーからのアクロバティックなゴール。CKからのこぼれ球をアル・サブヒが叩き込み前半のうちに同点に追いつく。
オマーンは後半にもセットプレーからの追加点。ゴリゴリの力技で前に出る。試合の決定づけるオマーンの3点目は再びPKから。しかも、またしても同じく振った腕を顔に当てるファウルから。ベトナム、オフザボールにおける2回の顔面叩きで2つのPK献上ということになる。背中側にいる選手に対してなので、未必の故意って感じだけどとりあえず背負う時に腕振るのが癖になってるんだろうか。この試合の主審はオフザボールの競り合いにナーバスだったから1つ目のPKでアジャストしないとダメである。
健闘するもオマーンのパワーに屈し、試合運びにも拙さを見せたベトナム。最終予選の経験の浅さを痛感させられる敗戦となった。
試合結果
2021.10.12
カタールW杯アジア最終予選 第4節
オマーン 3-1 ベトナム
スルタン・カーブース・スポーツコンプレックス
【得点者】
OMA:45+1′ アル・サブヒ, 49′ アルハルディ, 63′(PK) アルヤハヤエイ
VIE:39′ グエン・ティン・リン
主審:アドハム・マハドメ