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「Catch up FIFA World Cup Qatar 2022 European qualifiers」~2021.10.12 カタールW杯 欧州予選 グループB 第8節 スウェーデン×ギリシャ

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■あと一歩で呼び覚まされたDNA

 グループBのここから先を大きく占う重要な一戦である。首位のスペインを1試合消化試合が少ない状況で追うスウェーデンは勝てば首位に返り咲き。10月終わりで首位に君臨すればスペイン戦は引き分けで首位通過がぐっと近づくことになる。

 一方のギリシャはここで置いていかれるようだとプレーオフの出場権は大きく遠のく。9月はこのスウェーデン戦に勝利し突破の望みをつないだが、勝ち点の現状を見ると再び勝利の必要がある舞台となっている。

 試合は意外にも序盤から一方的な展開だった。相手を圧倒していたのはアウェイのギリシャ。平常運転といえば平常運転なのだが、ギリシャの5バックはバッチリスウェーデンの保持における3-2-5可変にマッチ。スウェーデンは後方のズレを使っていくというよりはとりあえず前線に預けてもらってあとはなんとでも!という色が強いので、こうしてガッツリ人を捕まえられると苦しくなる。

 攻撃においてもギリシャはスウェーデンの難点をよくわかっていた。まずは奥行きを使うスピードでカウンターから縦に早い勝負を挑む。仮に急げない状況だったら中央を経由するサイドチェンジを駆使しながら相手の4-4ブロックの外側にいるWBにボールを届ける。特に左のWBであるギアンヌリスがフリーになることが多く、ここをボールの落ちつけどころとしてうまく活用していた。

 PAまでボールを運ぶだけでなく、PAから先のエリア内のデュエルでも優勢だったギリシャ。数回バーに阻まれるなど本当にゴールまであと少しのところだった。

 しかし、あと一歩で手をこまねいているうちにスウェーデンは一気にカタを付ける。5バックで5トップへの変形をとがめるというのはあくまで個々人のマッチアップで守備側がある程度計算が立つ前提が必要。そこを破ったのがイサクだった。体の入れ替えだけで対面のマヴロバノスからPKを得ると、これをフォルスベリが決めて先制。

 さらに、長いボールへの目測を誤ったギリシャの隙を突いたイサクが自身で決定的な追加点を決める。こうなるとスウェーデンは強い。『あとは守るだけ』という状況になったスウェーデンの強固さはまさしくDNAといった感じ。

 あと一歩を踏み出せないでいるうちに、DFラインのミスからDNAを呼び起こしてしまったギリシャにとってはW杯出場が大きく遠のく一敗に。逆にスウェーデンは本戦ストレートインに向けて有利な立場で残り2節に臨むことが出来る。

Pick up player:アレクサンデル・イサク(SWE)
 2試合連続で選んでいるのは知っている。それでも今日はこの人しかいない。違いをみせなければ4-4-2で守り切る展開もなかった。消える展開の中であきらめずに後半も好機を狙って結果につなげたしぶとさも好印象。

試合結果
2021.10.12
カタールW杯欧州予選 第8節
スウェーデン 2-0 ギリシャ
フレンズ・アレナ
【得点者】
SWE:59‘(PK) フォルスベリ, 69’ イサク
主審:トビアス・スチュイラー

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