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「Catch up Premier League」~2021.10.16 プレミアリーグ 第8節 ブレントフォード×チェルシー ハイライト

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■残り20分で訪れた流れに立ちはだかる牙城

 チェルシーは少々意外なフォーメーションを組んできたという印象を持った。シティ戦の焼き直しとなった5-3-2という形もそうだし、アンカーにロフタス=チークを持ってきたという用兵の部分もそう。真っ先に思ったのは機動力に怪しさのあるブレントフォードの最終ラインにルカクとヴェルナーをぶつけてしまおう!というアイデアなのかというところか。

 実際に見てみた感想としては半分は当たり、半分はハズレという感じだろう。確かにチェルシーの前半のチャンスの多くはサイドからの最終ラインを強襲し、中央でDFラインギリギリでギャップを使ってオフサイドを掻い潜ろうとするルカクやヴェルナーが得点を狙うという形だった。そういう意味では当たり。

 一方でこの形一辺倒だったか?と言われると微妙なところ。例えば、積極的に裏に蹴りまくることでルカクやヴェルナーのスピードだけを生かす機会を極端に増やすことはしなかった。むしろ、この試合のチェルシーは非常に保持を大事にしていた。ブレントフォードの得意な攻守の切り替えが多い展開を避けることも同時に重視していたと思う。

 チェルシーの中盤はブレントフォードの中盤に数を合わせながら人主体で守られていたが、細かく立ち位置を変えるカンテはどうしても捕まえられない。もはや、保持のキーマンにもなるのがカンテである。アンカーのロフタス=チークも逆三角形同士のマッチアップになったことを享受し、比較的プレスがゆるく起点として十分な働きをしていたと思う。

 ブレントフォードのトニーやムベウモへの長いボールもこの日初出場となったサールを含めた3バックを中心にシャットアウト。チェルシーも無理にチャンスを追わない分、ブレントフォードにもソリッドな組織で攻める回数自体も規制するという形で試合をこう着状態に追い込んだ。ファウルを躊躇なく行っていた両チームなので、試合の流れとしても止まりやすくぶつ切りになっている展開だった。

 大きかったのは45分にチルウェルがスーパーゴールを叩き込んだことだろう。チェルシーは無理に自分から展開を動かす必要性がなくなった。

 というわけで後半も膠着した展開は継続。チェルシーがこのままブレントフォードを眠らせるのかなと思った。しかし。70分を境に試合は一変。流れは一気にブレントフォードに流れこむ。中央でのパス交換からムベウモが裏を取るチャンスを作ったことで徐々にブレントフォードがチェルシー陣内で深さを作ることに成功する。

 リスク承知で人をかけることで、チェルシー陣内でのブレントフォードが得意な競り合いは増加。サイドにボールが出るとロングスロー、そしてお得意のファーへのクロスからの折り返しのパターンを織り交ぜてチェルシーの首を絞めて行く。ここは文章だけでは書ききれない迫力なので、是非実際に試合を見てほしいところ。

 しかし、最後の砦として立ちはだかったのはメンディ。目まぐるしくエリア内で動くボールについていき、至近距離からのシュートをスーパーセーブで回避。これまでの相手はこの形で締め落としてきたブレントフォードだったが、メンディの牙城は別格。殴れども殴れども破れない今季のプレミア最高のGKを前に勝ち点0で屈することになった。

試合結果
2021.10.16
プレミアリーグ 第8節
ブレントフォード 0-1 チェルシー
ブレントフォード・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
CHE:45′ チルウェル
主審:アンソニー・テイラー

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