悪くない予行演習
ベティス戦では苦しい展開になったマドリー。大量リードがあるとはいえ、CLの2ndレグには何とか調子を取り戻しておきたいところ。エスパニョール戦は重要な一戦になる。しかしながら、試合はいきなりブライスワイトのカウンターからスタートというマドリーにとっては冷や汗をかく立ち上がりとなった。
不穏なスタートとなったマドリー、序盤はこのシーンに象徴されるように低調なスタートとなる。4-4-2崩しとなったボール保持はスピードアップのきっかけをつかめず、エスパニョールのブロックにスムーズなスライドを許す。CBとアンカーで相手を揺さぶることが出来ずに苦戦する。
プレッシングでもマドリーはきっかけをつかめない。4-3-3の1トップを助ける2枚目のプレスが出て行くタイミングを掴めず、マドリーはエスパニョールにストレスなくボールを持たれることとなる。
その結果、先制点を決めたのはエスパニョールであった。右サイドのサエスがカマヴィンガと入れ替わる形でボールを受けると、折り返しを決めたのはホセル。スムーズな形で先制点まで持ち込むことに成功する。
攻撃もうまくいかず、守備では凌ぎきることができないマドリー。困ったチームを救ったのは当然のように得点を決めるヴィニシウスだった。大外からのカットインで3人を引き付けたまま得点を決める姿はまさしくマドリーの救世主だった。
これで落ち着きを取り戻すことに成功したマドリー。ロドリゴ、モドリッチという流動的なポジションを取る選手たちを中心にサイドからチャンスメイクを行う。左サイドに人を集めて逆サイドのカルバハルに一気に!というパターンも。エスパニョールは押し込まれるうえに前進のきっかけをつかめないようになる。
押し込む機会を得たマドリーはセットプレーから追加点をゲット。ミリトンが押し込み、前半の内にリードを奪うことに成功する。
後半もマドリーが保持しながらエスパニョールが凌ぐという前半と同じ流れだった。リードを奪ったマドリーは試合を徐々に殺すことも意識しながら時計の針を進めていく。マドリーは残り時間を消費しつつ、主力のタイムマネジメントも行う方向性。終盤のアンチェロッティは次の試合も見据えた采配を振るうようになる。
後半の中盤、このままではいけないことに気づいたエスパニョールはショートパスを使ったアプローチにようやく着手する。だが、このトライは焼け石に水感があった。試合は最少得点差の1点で推移する時間がほとんどだったにも関わらず、この差が埋まる気配がほぼない。
結局そのまま逃げ切りに成功したマドリー。終了間際にはナチョの攻め上がりを起点としたアセンシオのゴールも決まり完勝。1点差ながら試合をコントロールし、エスパニョールをねじ伏せた。
ひとこと
まだまだ全開という感じではないが、リードをきっちり守り切るというCLでのミッションを踏まえれば悪くない予行練習にマドリーは成功したように思う。
試合結果
2023.3.11
ラ・リーガ 第25節
レアル・マドリー 3-1 エスパニョール
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
【得点者】
RMA:22‘ ヴィニシウス, 39’ ミリトン, 90+3‘ アセンシオ
ESP:8’ ホセル
主審:フィゲロア・バスケス