前半省エネ、後半撃ち合い
木曜にアーセナルとのホームゲームを終えるというタイトな日程のスポルティング。今節の相手はボアビスタ。渡井がいるチームである。
この試合においてスポルティングにとって助かったのはまずCHコンビが揃っていたこと。ELにおいては初戦でウガルテ、2戦目で守田が不在となる中盤中央の2人がリーグ戦ではきっちりと揃い踏みなのは心強い。
加えて、ボアビスタがあっさりとボールを渡してくれたのも大きかった。ボールを持つところにエネルギーを割くことはなく、スポルティングは序盤から保持して相手を押しこんでいく。
立ち上がりのスポルティングのチャンスは左サイドから。守田が顔を出した左サイドからチャンスを掴む。ウガルテが相棒の時は守田は勇敢な攻め上がりのリスクを取りやすい。ポイントを増やした左サイドから上がったクロスを最後にシェルミティが決定機を迎える。
ただ、正直なところ、特にポイントを作らずともスポルティングのサイド攻撃には十分に突破の予感。ボアビスタはやや守勢に回る時間が長いままで推移する。
ボアビスタの奮闘もむなしくスポルティングは20分手前で先制ゴールをゲット。右サイドの抉りに対して、スペースの空いたインサイドで逆サイドからサントスが待ち構えて先制点を奪い取る。
これ以降も試合を支配していたスポルティングだったが、前半の終盤はスポルティングの奪回の部分が弱まったこともあり、徐々にボアビスタがボールを持てるようになっていく。立ち上がりはロングボール一辺倒な感じもあったが、ここにきてショートパスをつなぎながらのパスアンドゴーを積極的に活用することに。
だが、活路が見えた!というところであっさりとそれを塞いでしまうのだから強豪というのはさすがである。そして前半の追加タイムには左サイドから裏を取ったサントスが相手のオウンゴールを誘って追加点をゲットする。
2点のビハインドを背負ったボアビスタは後半の頭からハイプレスで反撃を再開。後半は渡井も決定機を迎えるなど、ボアビスタには十分に得点の匂いがあった。奇襲を食らった形となったスポルティングは初めは戸惑い気味ではあったが、時間の経過とともに適応していく。
適応さえしてしまえばスポルティングにとって早い展開はむしろ望むところと言えるだろう。スポルティングはWBのエスガイオからの反撃で相手の陣地内に押し下げることに成功。
後半はオープンな展開を活用したスポルティングが徐々に手数を増やしていく。最終的には諦めなかったボアビスタの姿勢もスポルティングが勢いに乗る要因だろう。相手の実力をうまくエネルギーに変換したスポルティングがミッドウィークの疲れを吹き飛ばす快勝を見せた。
ひとこと
押し込めばチームとしては強いが、押し返されたときは未知数。苦戦が予想される中でどれだけ時間をかけて相手を押し込める展開に持って行けるかがベスト8進出のカギになるだろう。
試合結果
2023.3.12
ポルトガルリーグ 第24節
スポルティング 3-0 ボアヴィスタ
エスタディオ・ジョゼ・アルバラーデ
【得点者】
SPO:17‘ サントス, 43’ アグラ(OG), 90+3‘ パウリーニョ
主審:ジョアン・ピニェイロ