下部カテゴリーの門番をクリア
降格したのは2018年。ということはストークの試合を見るのはおよそ5年ぶりということだろうか。本来であればブライトンがプレミア、ストークがチャンピオンシップという立ち位置であるのだが、ストークがプレミアにいる時代を知っていること、そしてプレミア1年目で川崎ファンとして馴染みが深い三笘がブライトンにいることなどから、ブライトンがプレミア屈指の難所だったブリタニアで門番に挑むという構図に見えてしまった。多分、ストークがプレミアにいたことを知らないファンにとってはちっともわからない気持ちだろうけども。
試合はボール保持でブライトンがストークを攻略する局面がほとんどだった。ストークのスタンスは相変わらず。中盤の3枚には厳しくチェックをかけることを決めており、そのためであれば多少アフター気味のチャージになっても気にしないというスタンスだった。ブライトン側からするとたまったものではないだろう。
それでもカイセド、マック=アリスター、ブオナノッテの3枚をビルドアップから追い出すことには成功していたので、ストークにとっては狙い通りということになるだろう。となると、ブライトンはいかに中盤を省略した形から攻略パターンを作ることができるかがポイントになる。
そういう意味では先制点の形は両チームの戦況からすると当然の流れと言っていいだろう。バックラインで比較的時間を与えられたダンクから、裏抜けのランでギャップを作り出した三笘がフィードを受けて、インサイドのファーガソンに折り返す。ストークのプランに迎合する形でブライトンは先制点を獲得する。
ストークは失点したことにより、なりふり構わないプレスを仕掛けるようになった。バックラインにも時には時間を与えず、特にゴールキックからのリスタートにはGKにまで厳しいチェックをかけるようになっていた。このプレッシングは勢い任せなところもあったが、それなりに効果はあり、ブライトンはボールロストから危ない場面を迎えることもあった。ちなみにストークのシュートがいちいちパンチ力があるのも当時を彷彿とさせるものだった。
前半から各ポジションで激しいデュエルが繰り広げられる肉弾戦になったこの試合。ハーフタイムで引き上げる時に首を痛そうにしていたファーガソンは展開を象徴していたと言えるだろう。
後半も展開としてはモノトーン。しかしながら、ストークの前半のプレッシングが片道切符だったことは明らか。試合は時間が経過することにブライトンが落ち着いて試合を進めることとなる。
ゲームコントロールの部分で奮闘したのはカイセド。1試合通じて厳しいチェックを受けながらも後半は中盤の舵取り役として君臨。徐々にハードな試合の流れを自分たちのものに引き戻すように。
追加タイムにはウェルベックに試合を決めるチャンスが訪れたが、これを決められないのはご愛嬌。それでも先制点を守り切ったブライトンは無事に「難所」をクリアし、準々決勝に駒を進めることに成功した。
ひとこと
激しさはきっちり残っているストーク相手の試合はいつも自分のチームの選手が怪我をしないかヒヤヒヤしたのを思い出した。三笘も健康に活躍できたようで何よりである。
試合結果
2023.2.28
FA Cup 5回戦
ストーク 0-1 ブライトン
ブリタニア・スタジアム
【得点者】
BHA:30′ ファーガソン
主審:ダレン・ボンド