様子のおかしいナポリが予想外の大敗
CLでの対戦が決定している両チームがリーグでの前哨戦で火花を散らす。リーグにおいてはお互い目指すところが違う状態ではあるが、この後の180分に向けて勝てば当然心理的な主導権を握ることになるだろう。
ミランはナポリのCBにボールを持たせる落ち着いた展開になる。バックラインからボールを持つことができたナポリは後方からのキャリーでチャレンジしていく。
しかしながら、この日のナポリは少し様子がおかしかった。中盤はやたらとパスを繋ぐ過程で簡単にミスが出るように思ったようにパスが繋がらない。
、逆にミランがボールを持つターンにおいてはナポリのライン間の管理が甘く、縦関係になるCHやトップのジルーが列を落ちながら相手の攻撃を受ける。
攻守に微妙に歯車が噛み合わないナポリ。ミドルゾーンでのボールロストが徐々に目につくようになる。こうなると、アバウトさを許容してくれるオシムヘンがいないことは手痛い。危ない時や進めない時にとりあえず選ぶことができる選択肢がこの日のナポリにはなかった。
オシムヘンが苦しい時のナポリの次点の攻撃パターンはインサイドへのWGのカットインだが、ナポリはこれも不発。むしろ、これに関してはミランのカウンターの原動力になっていたとすら言えるだろう。
勢いに乗れないナポリを踏み台にするようにミランの攻撃は加速。トランジッションからロボツカを置いていくシーンを作りレオンが先制点を奪うと、左サイドのレオンとテオ・エルナンデスのレーン交換にベナセルが参加してあっという間に突き放す。
思わぬビハインドを背負ったミラン。ここから巻き返したいところだが、どうも高い位置で起点を作ることができない。体を当ててラインをキープするのではなく、受けに来ようと下がりすぎてしまうシメオネを見ると、やはりオシムヘンが恋しくなってしまうのは仕方のないことである。
持ちながらの攻略に挑むナポリだったが、徹底的なロングカウンターに舵を切ったミラン相手に苦戦。自陣の低い位置でのロストがあまりにも多い。トナーリのインターセプトからレオンがこの日2点目を決めると、仕上げはサレマーカーズ。インサイドをスルスル駆け抜けるようなドリブルでナポリの守備を中央から引き裂いて見せた。
終始様子がおかしかったナポリはまさかの大量失点。攻守が噛み合わないところを見せてしまい、ホームで大敗を喫してしまった。
ひとこと
ミランの出来が良かったのは確かだが、今のナポリがこうした負け方をするのが意外!というのが先に来る試合だった。
試合結果
2023.4.2
セリエA 第28節
ナポリ 0-4 ミラン
スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ
【得点者】
MIL:17′ 59′ レオン, 25′ ディアス, 67′ サレマーカーズ
主審:アントニオ・ラプアーノ