決めきれなかった焦りが裏目に
優勝争い真っ只中のドルトムントに敗れたライプツィヒ。リーグ戦の連敗は避けたいながらも火曜日にはマンチェスター遠征が待っているという難しい状況でグラードバッハをホームに迎える。
立ち上がりはライプツィヒが保持で攻略法を探っていくスタートとなった。CBにはプレスをつけに来なかったグラードバッハに対して、ライプツィヒは幅を使いながら攻略を狙う。コンパクトな4-4-2ブロックだったグラードバッハに対して、CBから大外に立つSBにボールを付ける。ショートパスというよりはロブ性のボールを蹴って、SBはグラードバッハのSHの背後のポジションで受けるイメージが多かった。
グラードバッハは降りてくるライプツィヒの中盤もほとんどスルーしており、ブロックの外で受けられることは許容していた。よって、最終ラインと同じくブロックの外である大外のレーンでボールを受けることはあまり難しいことではなかった。
4-2-2-2というフォーメーション図からも類推できるように、ライプツィヒの幅取りはSBに一任されている感があった。そしてここを起点に裏を取る動きでグラードバッハの背後を取っていく。
ボールを動かして相手の守備ブロックにトライするという頻度を確保できていたのはライプツィヒの方だった。一方でグラードバッハは中盤でのボールカットから素早いカウンターに移行する形でチャンスを作る。中央でポイントを作ろうとするとパスミスをカットし、素早く前線に数人が駆け上がる。ライプツィヒのボール保持がやや外に偏るようになったのはインサイドにパスを付けることでしっぺ返しを食らう側面もあるはずだ。
グラードバッハのカウンターが発動した時に前に出て行くのはノイハウスやホフマンといった面々。テュラムはむしろポストプレイヤーとしてのチャンスメイクに徹していた感じがある。バックラインからのロングボールでこうした速い攻撃を能動的に作りだす機会もしばしば。テュラムはターゲット役としても機能していた。
後半、ライプツィヒはインサイドにもポイントを作ることを恐れずにボールをつけていく。しかし、ペースを握ったのはグラードバッハ。主役はプレアである。意表を突くヘッドやホフマンの抜け出しからの決定機など、後半頭に先制する機会を徐々に作っていくように。
しかし、これをミスすると取り返そうと躍起になった強引なコネのプレーから失点してしまう。前に出て行こうとしたところをきっちり咎めたライプツィヒはしたたかだった。
すると、ここからペースは一気にライプツィヒに。ハイダラの侵入からプレアのPK献上を誘発すると、最後はセットプレーからのグバルディオルのゴールで仕上げる。
あっという間の3得点でグラードバッハを飲み込んだライプツィヒ。好感触で大一番に臨むこととなった。
ひとこと
インサイドを固めるグラードバッハは難敵ではあったが、色気を出したところを咎めるライプツィヒの振る舞いはとても大人であった。
試合結果
2023.3.11
ブンデスリーガ 第24節
ライプツィヒ 3-0 ボルシア・メンヘン・グラードバッハ
レッドブル・アレナ
【得点者】
RBL:58‘ ヴェルナー, 71‘ フォルスベリ(PK), 80’ グバルディオル
主審:マティアス・イェレンベック