■停滞脱するきっかけは…
未勝利同士のチームの一戦であり、ノリッジにとっては第4節のアーセナル戦以来の19位との対戦。代表ウィーク明けを逆天王山ではじめ、逆天王山で代表ウィークを迎えるという1ヶ月になった。
アーセナルと対戦したあの日からノリッジには残念ながら内容の向上は見られていない。4-3-3から5-3-2という守備的な布陣にシフトはしたものの効果は限定的。守備の決定的な改善には至っていない。
対するバーンリーも同じく苦しんでいる。といっても彼らの序盤戦の苦しみは昨シーズンから2年連続。ただし、今年は昨年と違ってすでにミー、タルコウスキ、ポープの守備の3枚看板は揃っている。上がり目となりそうなアタッカーのコルネが早々に離脱してしまったのが痛い。
試合はそんな苦しむ両チームの対戦らしい内容になってしまっていた。とりあえず中に起点を作りたいバーンリーだが、ノリッジの5-3-2はMF-DF間はコンパクトに維持。バーンリーの攻撃は固めてある中央から突っ込んでいく形になってしまう。こうなると流石のウッドでも収まらない。
ノリッジはノリッジで重心を下げた分のツケを払うことに。狙い目となるロングカウンターは機会が減少。2トップにしたことでこれまでの4-3-3に比べて枚数も減少。開始位置が低く、枚数も少なくなってしまうと迫力も減少という三重苦だ。
バーンリーの守備陣の攻略法は整う前に壊してしまうこと。ノリッジの攻撃陣の持ち味はロングカウンターは直線的に進み、一気にゴールまで陥れること。文字にするとノリッジの攻撃はバーンリーの守備に対して相性が良さそうなものなのだが、バーンリーの攻撃を塞ぐことを優先した結果、この相性の良さを活かせなかった形だ。
ともにミスが多く、ゴールまで近づくことすら困難な展開。間延びした展開の中で両チームがファウルを犯し続けて、カードがやたら嵩んでいくという見に来たサポーターが後悔しそうな内容だった。
後半になるとWBの上がりを積極的にしたノリッジを起点に徐々に試合が動き始める。といってもノリッジが優勢に立ったわけではなく、この積極的な動きをむしろバーンリーが有効利用するように。
WBが上がったスペースから裏をとり、クロスを上げる頻度が上がった後半のバーンリー。サイドからファーへのクロスは後半特に刺さるようになっていた。ロドリゲスかマクニールが足元にボールが落ちてきた時にもう少し落ち着いていればこの試合の勝利は彼らのものだったかもしれない。
ノリッジが終盤にクロス対応に慣れたこともあり、押し込まれた割には決定的な機会は少なかった。そこはノリッジが根性を見せた部分だとは思う。
スコアレスに終わった逆天王山はどちらかが上昇気流に乗るための一戦というよりは、むしろ両チームの貧窮ぶりを見せつけられる内容になってしまった。
試合結果
2021.10.2
プレミアリーグ 第7節
バーンリー 0-0 ノリッジ
ターフ・ムーア
主審:ケビン・フレンド