正面からぶつかる恐ろしさ
強大なレアル・マドリーに対して、バジャドリーが取ったのは意外な積極策。バックラインから繋いでくるレアル・マドリーに対して、プレスをかけていく非保持でのアプローチを見せたことである。
プレッシングはマンツー気味に出ていって潰しに行く形。自陣側に押し込まれたらリトリートでゾーンを守り、5-3-2のブロックを組むといういいとこどりのプランである。
レアル・マドリーは同じく高い位置からプレスを行うなどバジャドリードと同じスタンス。マドリーのプレスは正直そこまで効いている印象はなくバジャドリードは無理なく繋げてはいた。マドリーが非保持の局面で圧倒的に支配ができないというのは考えられうるケースだろう。しかしながら、この試合の序盤は保持でも苦戦。高い位置から勇敢にプレスにやってくるバジャドリードに対して、前から出ていけない状況が続く。
試合の流れを変えたのは22分。左サイドからカマヴィンガのプレスでボールを奪ったマドリーがアセンシオに繋ぎ、最後はロドリゴ。均衡を破る先制点を手にしたことで健闘していたバジャドリードの雲行きは徐々に怪しくなる。
2点目はマンツー外しから。ヴィニシウスとベンゼマのホットラインでズレを作るという強気マンツーの弊害が全開となるような攻勢であっという間に追加点を奪う。
これで火がついたベンゼマがわずか7分間の間にハットトリックを達成。3点目は特に見事。右サイドからのクロスをアクロバティックに叩き込む一撃だった。
序盤は互角だったバジャドリードだが、失点を皮切りに一気にリスクの収支が合わなくなっていった印象だ。ベンゼマのハットトリックで前に出て行きにくくなったが、時すでに遅しだろう。
ハーフタイムに4枚がえで4バックに切り替えたバジャドリード。右サイドのプラタからゴールに迫る。プレスの局面になるとバジャドリードはさすがに前からは追えてはいなかったが、後半の頭は保持から敵陣に迫ることができていた。
しかしながら、アドバンテージを得ているマドリーは保持で時間を握る余裕の展開。後半もアセンシオとバスケスがそれぞれゴールを決めて合計6得点のゴールショーを達成。CLに向けて弾みのつく勝利となった。
ひとこと
マドリーに真っ向勝負する怖さをバジャドリードが身を持って示してくれた。
試合結果
2023.4.2
ラ・リーガ 第27節
レアル・マドリー 6-0 バジャドリード
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
【得点者】
RMA:22′ ロドリゴ, 29′ 32′ 36′ ベンゼマ, 73′ アセンシオ, 90+1′ バスケス
主審:プリド・サンタナ