ヴィニシウスを前座扱いしたチュクウェゼ
ベルナベウで勝利を挙げればビジャレアルはマドリーに対してシーズンダブルを達成。大きな栄誉を得ることができるかどうか、注目が集まる一戦である。
どちらのチームもスタートは人基準の4-5-1。保持側はゆったりとしたポゼッションを重視し、攻守の切り替えが少ない展開になった。ビジャレアルの中盤の降りるアクションに対しては積極的についていくマドリーだったが、ビジャレアルのバックラインに枚数を合わせなければパウ・トーレスを起点とする保持を抑えるのは難しい。マドリーが前に出ていくことで逆に間延びしてしまい、ビジャレアルが中盤で繋ぐことができるという流れができるように。
ビジャレアルが非保持に回る際にはサイドに追い込みながらWGにボールが入ったら仕留める形。逆に降りる動きに足してはそこまで無頓着で、ボールの終点を抑えていくイメージだった。
それでもWGを起点として結果を出すレアル・マドリー。左サイドに流れるアセンシオとヴィニシウスで擬似カウンターのような形を作ると、角度のないところからパウ・トーレスのオウンゴールを誘発。
ビジャレアルの攻撃の出口になっていたのは右サイドのチュクウェゼ。ボールが入るのであれば、早い段階でチュクウェゼにボールを入れることでサイドからラインを下げる。正対できれば細かいステップでナチョを翻弄。バイタルにスペースを作ってミドルを打つこともできていた。
同点弾もチュクウェゼが仕留めたもの。列を落ちたCFのロ・チェルソの反転から彼が開けたスペースに入り込むチュクウェゼが同点ゴールを決める。
後半も両チームはドリブラーが競演。先手を取ったのはヴィニシウス。細かいステップからのカットインで厳しいマークをものともせずに勝ち越しゴールを奪ってみせる。
だが、この日の主役は彼ではなくチュクウェゼ。ドリブルで高さを決めてインサイドのモラエスにアシストを決めると、その10分後には自らが再び打開してこの日2点目をゲット。
追いかけるマドリーはカマヴィンガの仕掛けからPKを獲得するもこれは取り消し。追いつくチャンスを手にすることができない。
試合はそのまま終了。大車輪の活躍を見せたチュクウェゼがベルナベウ制圧に貢献。ビジャレアルがシーズンダブルを達成した。
ひとこと
この試合はチュクウェゼを見て。
試合結果
2023.4.8
ラ・リーガ 第28節
レアル・マドリー 2-3 ビジャレアル
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
【得点者】
RMA:16′ トーレス(OG), 48′ ヴィニシウス
VIL:39′ 80′ チュクウェゼ, 70′ モラエス
主審:アルベロラ・ロハス