CBの甘さをついたポルトがしたたかな逆転勝利
ポルトガルリーグの頂上決戦。リーグを代表する両チームによるビックマッチである。
先手を奪ったのはベンフィカだった。CB間を広げながらのお馴染みのビルドアップから大外に起点を作る。大きく外に開くSBが高い位置をとることでポルトのラインを押し下げていく。先制点の起点となったのは右サイド。バーのクロスがラモスに合う形でコスタのオウンゴールを誘発する。
ベンフィカのボール保持に対してはそこまでポルトは制限をかけずに迎え撃つ形だった。ポルトは攻守にベンフィカに比べるとやや大味な展開を好んでいたように見える。ボール保持においては右サイドのウリベなど、積極的に一発で裏をとる形を採用する。バックラインからショートパスで繋ぐ形ももちろん織り交ぜてはいるものの、縦に行ける時は鋭く進む!というスタンスはベンフィカよりも強かったと言えるだろう。
ベンフィカからすると、無理にプレスに行っても逃げられてしまうのでプレスに出て行きにくい。その上、ポルトが推進力を持ってドリブルでボールを運んでくると、ベンフィカはやや対応に苦慮していたのが印象的だった。
裏を狙う形からネットを揺らすポルトだが、このゴールはファウルで取り消し。なんとか助かったベンフィカだが、このゴールはベンフィカの守備が決壊間近であることの表れだったとも言えるだろう。前半終了間際にポルトは同点に。ハーフスペース、大外と回してハーフスペースの裏を抜け出した形から追いつく。
先制点後も攻め立てるポルト。ハーフタイムに至るまでのわずかな時間においても冷や汗をかく場面があった。
後半の頭はそんなムードをひっくり返そうと前から出ていくベンフィカ。ラッシュを仕掛けていく。だが、そんなベンフィカの動きはアバウトな展開を好むポルトにとって歓迎だったと言えるだろう。一発でラインの裏を取る形からポルトは勝ち越し。ベンフィカはCBの2人が簡単に被った状態から失点をしてしまったのが痛恨だった。
その後はしたたかに自陣を固めながらロングカウンター狙いに注力するポルト。ベンフィカの攻撃は最後まで実ることはなく、アウェイのポルトが逆転勝ちでビッグマッチを制した。
ひとこと
ベンフィカは最終ラインの対応の甘さが前がかりのチームに通用するかどうかがCLのキーポイントかもしれない。
試合結果
2023.4.7
ポルトガル・リーグ 第27節
ベンフィカ 1-2 ポルト
エスタディオ・ダ・ルス
【得点者】
BEN:10′ コスタ(OG)
POR:45′ ウリベ, 54′ タレミ
主審:アルトゥール・ディアス