Fixture
プレミアリーグ 第31節
2023.4.16
ウェストハム(14位/8勝6分15敗/勝ち点30/得点27 失点39)
×
アーセナル(1位/23勝4分3敗/勝ち点73/得点72 失点29)
@ロンドン・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
過去5年間の対戦でウェストハムの1勝、アーセナルの9勝、引き分けが2つ。
ウェストハムホームでの対戦成績
過去10戦でウェストハムの1勝、アーセナルの6勝、引き分けが3つ。
Head-to-head from BBC sport
- ウェストハムは直近31試合の公式戦でのアーセナル戦で2勝(D5,L24)
- 53回のプレミアでの対戦においてウェストハムがアーセナルに勝ったのは8回だけ。そのうちホームで勝ったのは3回。
- 26試合のプレミアでのウェストハムでのアウェイゲームにおいてアーセナルが負けたのは3回。
- デビッド・モイーズはミケル・アルテタのアーセナルとプレミアで6回対戦しており、勝ち点1しか取れていない。
スカッド情報
- フラム戦で欠場したルーカス・パケタは打撲から復帰予定。
- 唯一の欠場者は土曜日に膝の手術を受ける予定のジャンルカ・スカマッカ。
- エディ・エンケティアは足首の負傷による6週間の離脱から復帰予定。しかし、ウィリアム・サリバは引き続き離脱。
- モハメド・エルネニーと冨安健洋は長期離脱中。
Match facts from BBC sport
- 直近3試合中の2勝でそれ以前の14試合分と同じ勝ち点を稼いだ。
- 直近5試合のリーグ戦の勝利は全てクリーンシート。
- 10月以来のリーグ戦の連勝を狙う。
- 2021年10月以来初めての2試合連続クリーンシートも狙う。
- ニューカッスル戦の5-1での敗戦が2023年唯一のホームゲームの敗戦である。
- 250回目のプレミアにおけるロンドンダービー。117敗と388失点はどちらもプレミアレコード。
- 30試合時点で勝ち点は73。これは30試合の経過の時点で優勝を逃した最も高い勝ち点と同じ。11-12のユナイテッドと18-19のリバプール。
- アウェイにおける最も多くの勝利(11)、最も多くのポイント(35)、最多得点(30)、最小失点(11)を記録している。
- クリーンシートを達成すれば、10試合目のアウェイのクリーンシートとなり、93-94(42試合制)に達成したクラブレコードと並ぶ。
- プレミアで唯一の先制した試合で敗れていないチーム。21試合で18勝3分。
- オレクサンドル・ジンチェンコがプレーすればプレミアリーグで初めて100試合出場したウクライナ人選手になる。
予習
第29節 サウサンプトン戦
第7節 ニューカッスル戦
第30節 フラム戦
予想スタメン
展望
懸念セクションの復調で勝ちパターンを確立
残留争いに巻き込まれつつあるシーズンではあったが、Match factsにもあったようにサウサンプトン戦とフラム戦の勝利による6ポイントで降格のボーダーからは少しずつ遠ざかりつつある。もちろんまだ安心はできないが、現状の残留レースを見れば目標達成において前向きな見方ができるのは安心材料である。
内容的にも徐々に復調気配があるのは好材料。今季のウェストハムの不振の要因として考えられていた要素は徐々に改善されつつある。
まず、今季のウェストハムが抱えていた問題の1つはCBが揃わない問題。数はいるのだが、コンディションを整わず、SBで仕方なく埋めるケースが多かった。ケーラー、クレスウェル、コーファル、ジョンソンなど多くのウェストハムのSBはCBを経験している。
終盤になってそうした機会をミスケースはなくなった。むしろ、現在は軸のズマの相方を選べる状態。ワールドカップからの負傷回復をきっかけに徐々に立ち位置を掴みつつある。
そのアゲルトを追うかのように復調気配なのはオグボンナ。かつてウェストハムでシーズンを通した主力として活躍したオグボンナは長期離脱をへてようやくの本格的なカムバック。ECLも含めてこの3枚に目処が立ったことで先攻した試合の逃げ切りという勝利のパターンを確立することができた。
もう1つ、ウェストハムの不調のポイントとして挙げていたのは前線の面々のコンディションである。とりわけ、CFは不振が際立っていた。アントニオは往年の凄みが感じられないシーズンになっており、スカマッカは後半戦はほとんど負傷に泣かされることになった。
このブロックの救世主になったのはイングス。どのチームでも出ればきっちりと水準以上のCFとしての活躍ができるイングスを冬に獲得することでCFのレギュラーを確保する。2列目もベンラーマ、ボーウェンと徐々にコンディションを上げている。
中でもフィットが目立つのはパケタ。テクニックはもちろんのこと、プレミアらしい泥臭くユニフォームを汚すようなプレーも厭わないのはウェストハムの中盤にとって不可欠な要素と言えるだろう。
基本的なシステムは4-1-4-1もしくは4-4-2の2択。大きく分けるとパケタを使った3センターか、FWタイプを2枚並べた2トップかを選ぶこととなる。ここ数試合の勝利のパターンは先攻逃げ切り型が中心。セットプレーやしぶとい粘りからゴールを押し込み、ラインを下げながらの4-4-2ブロックで勝ち点3を確保するというのが得意のパターンである。
カウンターにおける迫力は正直よかったシーズンと比べると物足りなさがある状態。よって、低い位置できっちり守り切ることは重要になる。現状ではこの得意パターンに試合展開をはめることができるかどうかが勝ち点を大きく左右している。
アルテタに後悔させたい
逆にウェストハムの苦手な展開は何か。それは試合を自ら動かさなくてはいけない展開である。撤退ブロックに対して、手数をかけながら崩していかなければいけない形。もしくは高い位置からのプレッシングから相手のボール保持を阻害しなければいけない形である。
どちらのシチュエーションも状況としてはウェストハムが追いかける展開で想定できるものである。よって、いつも以上に先制点が重要な流れになる相手である。
アーセナルからするとバックラインには強いプレッシャーがかけられる展開は想定しにくい。2トップを採用した場合でもバックラインに積極的に圧力をかけにいく形はあまりやってこないはず。仮にやってきたとしても十分にボール保持でプレッシングをかわすことが今のアーセナルには期待できるだろう。
それよりもきっちりとプレッシャーの薄いバックラインが前にボールを運んでいくアクションをすることが必要になってくる。ウェストハムの守備はやや2列目より前の規律が怪しいところがある。アーセナルはバックラインでウェストハムの2列目をきっちりと吊り出し、一気に縦パスでスイッチを入れて、WGとウェストハムのバックラインがサシで対峙する状況を作り出したい。いわば、リバプール戦の1点目の状況である。
先行すれば得意パターンに足止めをすることができる。仮にウェストハムに先行されれば2列目を手前に引き出す難易度はグッと上がる。SHはラインを下げることで迷いがなくなるからである。なので、序盤はアーセナルのターンを継続することが求められる。相手にチャンスを与えずに、自分たちが保持をしながら相手の弱みをアナライズする時間帯。リーズ戦やクリスタル・パレス戦のように前半はチャンスが少なくとも問題はない。
その代わり、終盤の出力は求めたいところ。ウェストハムはECLを戦っており、ライスなど一部の主力は木曜日にベルギーの地でプレーをしている。体力面ではアーセナルが有利だろう。
リバプール戦で出番がなかった控えのアタッカー陣にも期待が集まる。ネルソン、ヴィエイラなどリバプール戦で白羽の矢が立たなかった選手には信頼をさらに積み重ねる必要がある。異なるカラーであるが、エリア付近で仕事ができる彼らにとっては終盤に重要なミッションが与えられる相手である。
もちろん、復帰したエンケティアのパフォーマンスにも注目。ウェストハムの得意パターンを避けることができれば、粘り強い終盤を迎えても信頼できるアタッカーの控え選手がいる。リバプール戦で自分たちの出番がなかったことをアルテタに後悔させるような会心の出来を期待したい。