■日本とサウジの違いとは?
初戦、アウェイである日本の地で貴重な勝ち点3を獲得したオマーン。日本と同じくW杯出場権争いの有力候補であるサウジアラビア相手に勝ち点を取れば、本大会出場という偉業が見えてくる。
対するサウジアラビアはベトナム相手に格の違いを見せつける逆転劇を演じた。続くオマーンも現状ではアウトサイダー。2戦目も貫禄を見せることができるだろうか。
オマーンのアプローチは日本相手のものと大きく違いはなかった。中央を固めてサウジアラビアに要所を使わせない。サウジアラビアは中盤の3枚のカンノ、アル・マルキ、アル=ファラジュなどマンマークでオマーンに捕まってしまっている。
サウジアラビアはこれに対して左サイドから対抗。アッ=ドッサリーやアッ=シャハラーニーの縦関係がレーンを入れ替えながら攻撃を繰り出す。サイドの選手の位置関係が膠着しがちだった日本に比べれば、サウジアラビアの攻撃は動きがあるものではあった。
だが、それでもオマーンの守備ブロックは強固。サイドを多少動かされたとしても、中央はそもそも数的優位。日本と同じくサウジアラビアも非常にこのブロックを崩すのには手を焼くことになった。
しかし、サウジアラビアは脈絡なく、このブロックを破壊。フィードから19番のアル=ムワッラドが抜け出すと、ヒールで落としたスペースに走り込んだのはストライカーのアル・シェフリ。ワンタッチでの芸術的なパスでオマーンにズレたスペースを埋める時間を与えなかった。
日本も阿吽の呼吸が合えばこういったプレーは可能だろう。だが、この日のサウジアラビアは明らかに日本よりも優れていた部分があった。それは守備。日本が苦しんだオマーンのサイドに流れるFWへのパスは厳しくCB2人がチェイスしていたし、ライン間の楔はSBのアル=ガナムがチェックした。
オマーンが日本に善戦したのはSB裏のFWへのランとライン間のズレを利用した縦パスで前進を通すことができたから。サウジアラビアはこのオマーンの攻撃のスイッチとなる武器をバックラインが高い位置から咎めたことで、オマーンに反撃の隙を与えなかった。
後半、サウジアラビアの守備の圧力も弱まっており、オマーンにもチャンスが巡ってくる。20番のサラーを軸に右サイドから打開を狙うオマーンだったが、ゴール前の精度が足りず。終盤の猛攻もサウジアラビアに交わされてしまったオマーン。格上に対する連勝スタートは叶わなかった。
試合結果
2021.9.7
カタールW杯アジア最終予選 第2節
オマーン 0-1 サウジアラビア
スルタン・カーフード・スタジアム
【得点者】
SAU:42′ アル=シェフリ
主審:ハッタブ・ハンナ