保持でじっくりの大勝という実績を積み重ねる
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ようやく5連勝の壁を越えることに成功したアーセナル。リーズ戦に勝てばリーグ戦は7連勝。今季のプレミアにおける最多連勝記録を更新することになる。
リーズのフォーメーションは4-3-3ベース。IHにクリステンセンとハリソンという違うキャラクターの2人を並べる異色の形となった。
基本的にはアーセナルのバックラインに対してはそこまでプレッシャーにいかず、リーズはブロックの迎撃に専念するプランだったといえるだろう。4-3-3のIHの仕事は1トップをプレスでサポートすることではなく、バックラインのスペースを埋めて後方を固めることだった、
IHの動きに伴い、WGも列を落としながら守っていく。前から追い回しに行かないというスタンスはアーセナル対策のようにも映るが、近ごろの彼らであればまずはプレスを我慢という判断はそこまで不自然なものではない。
アーセナルにとっては近ごろおなじみになっている撤退守備相手の攻略を強いられる形になる。序盤からじりじりと攻めていくのが最近のアーセナルのお決まりだが、この日は右サイドにサカがいない分なかなか苦戦していた。
よって、攻撃における負荷は左サイドにかかることになる。マルティネッリとスライドするジェズスを軸に左サイドはこの期待に応えたといっていいだろう。トーマスのサイドチェンジからきっちりと深い位置を取れるようになると、ジェズスがカットインからPK判定をゲット。これを自ら決めて前に出ることに成功する。
リーズは先制こそされたものの、流れとしては悪くない。押し込まれてはいるが、撤退守備はそれなりに抑えられてはいるし、ボールを前に進めることも出来る。連携が不十分な右サイドのミスからリーズがサマーフィルにボールを預けて敵陣に進むことができる場面は十分にあった。最少得点差であればこのままプランを大きく変える必要はないという判断だろう。
アーセナルは攻め込まれる時間も出てきてはいるが、ジャカやトーマスのロングパスからマルティネッリがロングカウンターを放ってゴールに迫るシーンも。押し込まれる状況を逆手にとってのチャンスメイクを行う。
後半、スコアをいきなり動かしたのは前半もチームを牽引していたマルティネッリ。エイリングとのマッチアップを制して、左サイドからの侵入でカットインを行うと、ファーに入り込んだホワイトが決めてリードを広げる。
前半は左サイドしか生きていなかったアーセナルの攻撃だったが、後半は右サイドも活性化。アーセナルの攻撃が左サイドに偏ることを利用し、エリア内での仕事の比重を増やすことで輝きを出すように。
3点目はトロサールがエリア内に入り込んだ動きから、止まって再加速で相手を置き去りに。エリア内に入り込むジェズスがこの日2得点目を決めてさらに得点を重ねる。
アーセナルはリードを広げると、ボールを持ちながらポゼッションで試合をコントロール。リーズの反撃の意欲を確実に削ぐ形で残りの時間を過ごしていく。
リーズはクリステンセンが反撃の一撃を見舞うが、終了間際にアーセナルはジャカのゴールで返り討ち。終盤までリードを維持し、危なげない戦いを披露する。
アーセナルはまたしても4得点での大勝で7連勝を達成。次節、難所のアンフィールドを突破できれば、輝かしいエンディングがさらに現実味を帯びることとなる。
ひとこと
保持でじっくりという実績を積み重ねていることで、序盤にゆっくり相手を攻略するフェーズをサポーターが待てるようになっているのは好材料だと思う。
試合結果
2023.4.1
プレミアリーグ 第29節
アーセナル 4-1 リーズ
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:35′(PK),55‘ ジェズス, 47′ ホワイト, 84′ ジャカ
LEE:76′ クリステンセン
主審:ダレン・イングランド