暫定監督率いるチェルシーが大幅TOのリバプールを追い込むが・・・
ついにポッターの解任に踏み切ったチェルシー。なんでこのタイミングなのかはわからないが、ひとまずこの試合ではブルーノ・サルトールが指揮をとり、リバプールを迎え撃つ。ランパードが就任するのはまだ先の話である。
ポゼッションを握るのはホームのチェルシーだった。3バックはボールを持ちながら、リバプールのプレスの様子を伺う。リバプールのプレッシングの肝はトップのプレスに中盤が連動するかである。大幅にメンバーをターンオーバーしたこの試合では中盤が間延びしてしまい、前線と中盤の距離が空いてしまう。
チェルシーはこのリバプールの前線と中盤の繋ぎ目をつくことで前進のきっかけを掴む。コバチッチは単独でボールを引き取れる場所を見つけてはボールを前に進めるアクションを繰り返すことでリバプールのプレッシングを無効化していた。
間延びしているスペースの中でチェルシーの中盤は比較的余裕を持って縦にボールをつけることができていた。エンソ、コバチッチなど縦にボールをさせる選手は十分に多い。
サイドから経由して中盤をフリーにする形もOK。3バックで外を回し、低い位置に降りてきたWBから中盤にボールを落として前進の道筋を敷くパターンもあった。
やや裏に前進の形が偏っていた部分もあったが、この日のリバプールはラインを上げているため、裏をきっちり取ることでシュートまで迎えていたので問題はなさそうだった。むしろ、問題はその先。ゴールにシュートを叩き込む決定力の方。この日のチェルシーはゴールを決めることができなかったり、あるいは決めても取り消されてしまったりなど1点が遠かった。
リバプールはボール保持に回ってもあまり手応えのある出来とは言えなかった。CBはややボールを持たされた感があったが、どこからボールをつければいいかがわかっていなかった感じ。特に前線にサラーがいない影響は大きく、幅をとるアクションがほぼなし。直線的に攻め切るための縦パスで押し切ろうとするが、前方向にめっぽう強いチェルシーの3バックに阻まれるシーンが目立つように。
よって、チャンスは偶発的なカウンター。つまり、直線的な動きが生きる状況がそこにある場合がなければリバプールの攻撃陣はあまり機能していなかった。
後半も展開は変わらずリバプールにとっては苦しい状況が続く。中央密集というとフィルミーノが効く展開のようにも思うのだが、縦に速い形が多いせいかあまり効果的なプレーが多くない。
チェルシーも裏パスを使いながらのチャンスメイクは継続。しかしながら、こちらの方が中盤でフリーマンをきっちり作るアクションを行なっていたので精度は高かった。ハフェルツのハンドのシーンなどはメカニズムはうまくいっている証拠だろう。
リズムが変わったのはサラーの登場。幅をとれるようになったことでリバプールはサイドを使った通常営業の攻撃を繰り出すようになる。押し返すことができるリバプールはプレスを再開するが、チェルシーは再びこのプレッシングを撃退。試合は再び敵陣に押し返したチェルシーのペースになる。
だが、最後までネットを揺らすことはできず。ターンオーバーしたリバプールを終始攻め立てるが勝ち点3獲得には至らなかった。
ひとこと
ターンオーバーの意図も効果も微妙だったリバプール。これでリーグ戦3試合未勝利。特にボーンマス戦とチェルシー戦での出来はやや問題がある。得意のホームでリカバリーできるか。
試合結果
2023.4.4
プレミアリーグ 第7節
チェルシー 0-0 リバプール
スタンフォード・ブリッジ
主審:アンソニー・テイラー