左サイドに活路を見出したフェイエノールトが逃げ切りに成功
ボールを持つことになったのはオランダで首位のフェイエノールト。幅を使ったポゼッションからローマの守備を左右に揺さぶる。中央のスライドが怪しくなれば斜め方向に横断。薄いサイドを作るところまでは問題なくできていたといえるだろう。
ポゼッションの過程で詰まったならばトップのヒメネスへのロングボールもあり。徹底的にボール保持にこだわるというよりは、柔軟にロングボールを織り交ぜながらローマの守備に引っ掛けないことを優先してボールを動かしているように見えた。
この辺りは中盤の深い位置に陣取るコクチュとウィーファーがバランサーとして舵を取る。保持でローマを押し込むことができたのは彼らの貢献によるところが大きい。
ローマは狭いスペースに押し込んだ時のプレスで勝負をしたかった感じはしたが外されしまった流れとなった。すると、ボールを持たれることを受け入れる方向性にシフト。プレスは無理せずにポジションを下げることでスペースを埋めに走る。
というわけで攻撃もその流れに合わせたものになる。すなわち、エイブラハム狙いのロングボールである。ディバラの負傷は攻撃のブレーキになる可能性はあったが、代役で入ったエル・シャーラウィも悪くなかった出来ではあったといえるだろう。
攻撃の機会はフェイエノールトの方が多かったが、先制のチャンスを得たのはローマ。ハンドでPKを得た。しかし、このPKはビュロウがストップでノーゴール。ペッレグリーニは大きな先制のチャンスを逃してしまう。
後半も攻撃の回数が多かったのはフェイエノールト。後半は左サイドからのクロスを軸にローマを攻め立てていく。
すると、この左サイドの攻撃からゴールをゲット。左サイドのイドリシのカットインからウィーファーがゴールを決めて先制する。
先制以降のフェイエノールトはコクチュのゲームメイクで落ち着きに行く。反撃に出たいローマだが、エイブラハムの負傷などいまいち流れに乗ることができない。セットプレーからチャンスを迎えるシーンもあったが、これはフェイエノールトがライン上でクリア。なかなか同点ゴールが遠い。
70分以降は押し込む機会を作り、前半にはなかった人数をかけた攻撃を見せていくローマ。しかしながら撤退守備を決め込んだフェイエノールトの逃げ切り体制に得点を生むことができず。ボールを運んではキープするコクチュの時間稼ぎもローマからするとうざったいものだっただろう。
見ごたえ充分の1st legはホームチームが先勝。フェイエノールトがリードを得た状態でローマに乗り込むことになる。
ひとこと
ローマがこの試合で出した負傷者がどれだけ戻ってくるかは2ndレグのポイントになるだろう。
試合結果
2023.4.13
UEFAヨーロッパリーグ
Quarter-final 1st leg
フェイエノールト 1-0 ローマ
フェイエノールト・スタディオン
【得点者】
FEY:53′ ウィーファー
主審:ホセ・マリア・サンチェス