前進を一手に引き受けた三笘が逆転のキーマンに
4月の公式戦では未だにノーゴール。ランパード政権の船出は想像通り厳しいものになっている。欧州カップ出場権争い真っ最中のブライトンを相手に回してどこまでやれるかどうかという一戦となる。
正三角形の中盤を採用し、ギャラガーとスターリングでブライトンのバックラインに強気でプレスをかけている。ブライトンは三笘にボールをつけて反撃。外を追い越すエストゥピニャンからいきなりチャンスを作ってみせた。
速い攻撃に対する対応がうまくなかったチェルシーだが、保持に回ればそれなりにやれていた感がある。特に躍動していたのはムドリク。高い位置をとるチルウェルを相棒において、ムドリクが降りる動きを見せてボールを引き出すことで縦にボールを進める。
先制ゴールもこの形だった。エンソから縦にボールをつけるとムドリクは反転。横断しながらドリブルするムドリクにブライトンのバックラインは方向を制限することができず。ギャラガーのシュートは跳ね返る方向という運もあったが、ブライトンがムドリクのプレー方向を決めることができないことで逆を取られてしまった感があった。
ここからブライトンは猛チャージ。ボールを運ぶ役割を三笘に集約。左サイドからボールをキャリーして反撃に出る。先程のような追い越すエストゥピニャンを使うパターンや、自らが縦に抉って再加速する形、そして横ドリからの逆サイドへの展開など豊富な持ち手から都度方策を変えながら敵陣に進んでいく。
完全にこちらのサイドはチェルシーが後手に回っていた感。チャロバーはもちろん、フォファナやバディアシルもかなり三笘に振り回されることとなった。20分を過ぎるとチェルシーはだいぶ保持から時間を作れずに苦しくなっていく。試合はブライトンの一方的な攻めるタームに移っていく。
その成果が実ったのは前半終了間際。右サイドからのクロスをファーで2人にマークされたウェルベックが仕留めてゴール。試合を振り出しに戻す。
後半は前半以上にブライトンペース。三笘のサポートに左のハーフスペース付近までエンシソかウェルベックが流れながら同サイドの崩しに注力。ザカリアが同サイドの最終ラインにカバーに入る機会が徐々に多くなっていく。
左サイドからの崩しを軸にブライトンは一方的に攻め立てると、決め手になったのはエンシソ。同サイドにマーチが流れていた分、逆サイドへの展開という選択肢を捨てることができたのは彼にとって幸運だったはず。迷わず振り切ったミドルシュートでついにリードを手にする。
一方的に攻め立てられ、シュートにすら辿り着くことができなかったチェルシー。カウンターから何度かあった機会で敵陣に攻め込めなかったのはシンプルに相手との差を感じる部分である。
終盤はブライトンのバックラインが怪しいミスをしていたため、同点に追いつけるチャンスがないわけではなかった。しかしながら、最後までゴールを沈めることはできず。
三笘を軸として崩しにこだわったブライトンがチェルシー相手にダブルを達成。欧州カップ出場権争いにおいて大きな3ポイントを手にした。
ひとこと
ポッターが監督だったダービーでしたね。
試合結果
2023.4.15
プレミアリーグ 第30節
チェルシー 1-2 ブライトン
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:13′ ギャラガー
BHA:42′ ウェルベック, 69′ エンシソ
主審:ロベルト・ジョーンズ