前がかりなスタンスに顕在化するリスク
戦績は右肩下がり、そして終盤に待ち受けるは強豪との連戦。中盤戦は安泰かと思われたフォレストの残留に向けた物語はここに来て大きな逆風に見舞われているといっていいだろう。
この日の相手は連戦で疲労困憊気味のユナイテッド。そんなユナイテッド相手にフォレストは勢いよくぶつかるスタンスを選択する。前にとっとと当てて起点を作り、バックラインに対しては高い位置から捕まえに行くというスタンスに対して、マンチェスター・ユナイテッドはやや戸惑い気味だったといってもいいだろう。
しかしながら百戦錬磨のユナイテッドにとってはフォレストから受ける圧力をいなすのはそこまで難しい注文ではなかった。前がかりなプレスの陣形に対して、冷静に縦へのパスを差すユナイテッドはすぐさま主導権を取り返す。フォレストは前向きの強気の矢印のリスクを十分に感じさせるスタートとなっていた。
フォレストはマグワイアの背後を必死で狙い続けるが、30分になると段々と前に出て行けなくなるように。そうなると、ペースはユナイテッドに流れる。高い位置からダニーロを狙い撃ちしてのショートカウンターから先制。この先制点を担保にユナイテッドはペースを落としていく。ペースを落としながら試合を支配するということは今のユナイテッドにとっては何よりも大事なことである。
後半、保持でペースを握るのは引き続きユナイテッドの方。ELで消耗した分、ゆったりとしたペースで試合をコントロールしながら時計の針を進めていく。フォレストは右サイドのクロスからあわやというシーンを作り出すが、同点ゴールが遠い状況は依然変わらない。
黙々と試合を制御するユナイテッドに待望の追加点が入ったのは終盤の76分のことだった。アントニーのタメを生かす形で後方から飛び出したダロトが試合を決定づける追加点を決める。
終盤までフォレストは抵抗するが、さざ波以上のものは起こすことが出来ず。対応力とロートーンでの支配でユナイテッドが勝ち点3を手にした。
ひとこと
30分以降のフォレストの様子を見ると立ち上がりの奇襲で先制点が欲しかったことだろう。
試合結果
2023.4.16
プレミアリーグ 第31節
ノッティンガム・フォレスト 0-2 マンチェスター・ユナイテッド
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
Man Utd:32′ アントニー, 76′ ダロト
主審:クレイグ・ポーソン