ザハ復帰のパレスが乱戦を制する
激烈な冬場の過密日程を乗り越えて以降は残留争いとは無縁のシーズンを送っているクリスタル・パレス。今節はその立場に一歩でも近づきたいウェストハムとの一戦である。
パレスのメンバーにおけるトピックはやはりザハの復帰だろう。後方のアンデルセンから放たされるザハへのフィードは彼への信頼感と、前節は懲罰交代気味にベンチに下がることとなったアンデルセン自身の復調のしるしとしての意味合いがこもっていたように思う。
ボール保持の機会はパレスの方が少し多かったように思えたが、先制したのはウェストハム。セットプレーからのソーチェクの一撃で先手を奪う。その直前のボーウェンのドライブも好プレー。強みをかみ合わせるいいゴールで先にリードを得る。
しかしながらパレスはすぐに同点。右サイドに君臨するオリーズからのパスをアイェウが沈めてあっさりと追いつく。ウェストハムはこのゴールの直後にズマが負傷交代。いい入りを台無しにする踏んだり蹴ったり展開に苦しめられることになる。
パレスは勝ち越しゴールも右サイドから。オリーズとアイェウが右から作り最後はザハ。復帰を自ら祝うゴールを決めて、前半の内にパレスが逆転する。
さらにはパレスは30分にソーチェクのロストから発動したカウンターから3点目。決めたのはシュラップ。パレスはここまでの30分で3本のシュートを全てゴールにするという効率のいい形でウェストハム相手に得点を積み重ねていく。
苦しい状況のウェストハムだが、アントニオがセットプレーからゴールをもぎ取り1点差に。後半に望みをつなぐことに成功する。
ウェストハムは攻め手を探る後半。だが、リトリートで落ち着いて受け止める機会が増えたクリスタル・パレスに対して、なかなかシュートまでの道筋を作ることができない。
むしろ、パレスはカウンターからチャンスを迎えるように。どちらかといえば得意な形から反撃することが出来ていたパレスの方が優勢な後半だったといえるだろう。
そんな優勢なパレスが再び突き放したのは66分。エゼが自らの突破で生み出したPKを沈めて試合は再び2点差に。
これで勝負の大勢は決まった。ウェストハムは72分にセットプレーからアゲルトがゴールを奪うが、流れの中からさらなる得点を奪うことが出来ずにそのまま終戦。中位をさまようロンドンダービーは上位のパレスが撃ち合いを制した。
ひとこと
ザハが帰ってくるとワンランク破壊力が高まる感じがする。
試合結果
2023.4.29
プレミアリーグ 第34節
クリスタル・パレス 4-3 ウェストハム
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:15′ アイェウ, 20′ ザハ, 30′ シュラップ, 66′(PK) エゼ
WHU:9′ ソーチェク, 35′ アントニオ, 72′ アゲルト
主審:クレイグ・ポーソン