決着はもつれるが完勝
バックラインからのキャリーからチャンスを作るのはニューカッスル。サウサンプトンはバックラインに対して厳しく高い位置からプレッシャーをかけていくスタートとなった。
しかしながらサウサンプトンのプレスはニューカッスルの機能的な部分を防ぐ事になっていない。CBにはプレスをかけてもアンカーのギマランイスのところにプレッシャーがかかっていない。4-3-3の組織に対して、4-4-2でハイプレスをかけていくときに、ミスマッチになる中盤。ここのケアなしにサウサンプトンはプレッシングを始めてしまったように見えた。
ニューカッスルはこのミスマッチの中盤を活用。ライン間に差し込む中盤への縦パスからサイドの深い位置までパスを送り、サイドの攻略を狙っていく。サイドのラインブレイクを担っていたのは左サイドのWGのゴードン。相手をワンランク押し下げるアクションで敵陣深くに入り込んでいた。
一方のサウサンプトンも相手のバックラインのエラーにはつけ込む隙がありそうな予感。中盤でのパスミスからプレゼント的にカウンターのチャンスをもらう機会はあった。
カウンターの担い手になっていたのはアルカラス。アーセナル戦あたりから継続している好調さはこの試合でも健在。数人に囲まれてもスルスル抜けていくドリブルで、少しずつチャンスを引き寄せていく。
それでもトータルで見ればチャンスが多いのはニューカッスル。サウサンプトンはなんとか踏ん張りながらチャンスを迎えたのは41分。ラヴィアのボール奪取からカウンターでS.アームストロングが先制点を奪う。
後半、追いかけるニューカッスルはイサクを投入。ウィルソンとの併用という得点が欲しい時の陣形にシフトし、サウサンプトンを攻め立てる。この日の併用の特徴は2トップではなく、イサクを純粋な左のWGで活用したこと。
この采配は大当たりと言えるだろう。サイドに自由に流れるイサクをサウサンプトンは防ぐことができず、54分には同点の起点になることを許してしまう。チャンスメイクはイサク、フィニッシャーはウィルソンという関係性はウィルソンのゴール以降も継続。オフサイドでなんとか助かるが、サウサンプトンは劣勢を覆すことができない。
均衡が破れたのは80分の手前。セットプレーからウォルコットのオウンゴールを誘発しようやくリードを奪うに成功する。
そして仕上げは再びウィルソン。長いボールを収めようとするニューカッスルの前線を前に、メイトランド=ナイルズの対応はあまりに軽すぎたと言えるだろう。
決着には時間がかかったが、落ち着いたニューカッスルは追いついてからは盤石な試合運び。さらにCL出場権を固める勝利を危なげなく手にした。
ひとこと
終盤の両チームには地力の差を感じた。
試合結果
2023.4.30
プレミアリーグ 第34節
ニューカッスル 3-1 サウサンプトン
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:54′ 81′ ウィルソン, 79′ ウォルコット(OG)
SOU:41′ S.アームストロング
主審:アンソニー・テイラー