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「Catch up Premier League」~2023.4.30 プレミアリーグ 第34節 リバプール×トッテナム ハイライト

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後半追加タイムに二転三転のアンフィールド劇場

 立ち上がりの15分はまるで先週のトッテナムのゲームの再放送を見ているかのようだった。違ったのは先週の時点では監督ではなかったライアン・メイソンがこの試合のトッテナムの指揮を執り、ステッリーニのラストゲームの4バックではなく、3バックを採用したこと。

 CBを3枚にすることである程度受けることができる構成になっていたはずだが、トッテナムはこのバックラインの強度がかなりまずいことになっていた。1失点目はインサイドの動きに簡単に釣られ過ぎてしまったポロのポジショニングの悪さがファーのジョーンズをフリーに。これでは5バックの意味がない。

 続く失点もバックラインの個々に個人のプレーの責任をとってもらいたい気持ちになるシーンだった。右の大外を起点とするリバプールはハーフスペースにガクポが飛び出すと、この動きでダイアーが入れ替わられてしまう。横にスライドしたロメロのサポートも間に合わず。ニアを抜くディアスが素晴らしい復帰後初ゴールを決める。

 なおもリバプールは攻撃の手を緩めずにあっという間に3点目をゲット。エリア内への侵入に対してロメロが非常に安易なタックルを見せて、ニアを抜かれる隙を許してしまった。

 リバプールからするとアレクサンダー=アーノルドの攻撃参加がスムーズになっているのは朗報だろう。1得点目は大外へのクリアな展開からだったし、それ以降も着実にリズムを刻みながら前線での攻撃の参加と後方のポゼッションの安定を図る。

 一方のトッテナムは縦に速い攻撃から活路を探しにいく。だが、やや急ぎ過ぎか。ただ、そうしたトッテナムのプレーの方向性よりも個人的にはプレーが上手くいっても行かなくても、互いに声を掛け合うことがないトッテナムの選手たちになんとなく彼らのチームの雰囲気が透けて見える方が気になった。

 一方的にリバプールペースのまま終わるかと思われた試合だが、トッテナムがハイプレスからリズムを掴むと様相は一変。自陣からのスキップへの長いパスを起点に左サイドでソンと入れ替わるように抜け出したペリシッチから最後はケインが決める。特にこのゴールも誰も声をかけにいってはなかったように放送では見えたけども。

 特にリバプールのバックラインでポゼッションにおいて不安定さを露呈していたのはロバートソン。よって、リバプールは残りの時間を左サイドにファビーニョをスライドさせる形で彼のポジションをプロテクトする。方向性としてもポゼッションに思い切って振りながらペースを引き戻していく。

 後半も方向性としては同じ。リバプールは極端なポゼッションからゲームから得点の匂いごと締め出しを行い、試合のテンポを殺すことが狙いだったはず。

 テンポを落としてきたリバプールを相手にトッテナムはギアを入れる手段が見つからず、ただただ時間だけが過ぎていく展開に。それだけに77分に生まれたソンのゴールはリバプールにとって青天の霹靂と言えるだろう。試合は終盤にかけて勝ち点の行方がわからなくなった。

 2点目で加速したトッテナムの勢いを得点に結びつけたのは交代で入ったリシャルリソン。セットプレーからファーに入り込んで根性で合わせ、後半追加タイムに試合を振り出しに戻す。

 しかし、直後のプレーで試合は再び動く。ルーカス・モウラのパスミスを掻っ攫ったジョッタが冷静に沈め、トッテナムの歓喜はあっという間に終焉。後半追加タイムに二転三転したアンフィールド劇場は苦しみながらもリバプールが勝利。肉離れをしながらも4点目のゴールを喜ぶクロップはこの試合のリバプールの戦いをある意味よく表していると言ってもいいだろう。

ひとこと

 3点の得点差をひっくり返すほどトッテナムの出来が良かったとはあまり思えなかっただけに、きっちり勝ち点だけは確保したかっただろうなと思う。

試合結果

2023.4.30
プレミアリーグ 第34節
リバプール 4-3 トッテナム
アンフィールド
【得点者】
LIV:3′ ジョーンズ, 5′ ディアス, 15′(PK) サラー, 90+4′ ジョッタ
TOT:39′ ケイン, 77′ ソン, 90+3′ リシャルリソン
主審:ポール・ティアニー

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