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「Catch up Premier League」~2023.5.8 プレミアリーグ 第35節 ブライトン×エバートン ハイライト

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ダイチから学ぶ三笘の泳がせ方

 ニューカッスルとマンチェスター・ユナイテッドが揃って敗戦を喫したことでまだまだ混沌としているCL出場権争い。リバプールと共にフォロワーの先頭を走るブライトンにはこのチャンスを生かすほかない。残留争いに苦しむエバートンを叩いてきっちり勝ち点3を確保しておきたいところだ。

 しかし、そんなブライトンの目論見は数十秒でエバートンに挫かれる。ボールを奪った速攻から右サイドにキャルバート=ルーウィンが抜け出すとドゥクレへのラストパスが決まりあっさりと先制。ブライトンは三笘周辺のボールの失い方に加えて、ダンクの対応の拙さが状況をさらに悪くしてしまっていた。

 この先制点で両チームのスタンスは決定。ブライトンはボール保持でエバートンのブロックを壊し、それをリトリート+ロングカウンターでエバートンがやり返すといった構図である。

 負傷明けのマーチをベンチに控えさせたブライトンは三笘を中心にボールを集めた攻撃を展開。1on1でパターソンと対峙することが出来た三笘はカットインからクロスでチャンスを創出していく。

 初めは三笘が優勢と思われたマッチアップだったが時間の経過と共に徐々に怪しい部分が出てくる。まずはパターソンの背後に構えるイウォビがインサイドに立ちふさがっていることで、カットインからの中央のコンビネーションが分断されるように。三笘がカジュアルに選ぶことができる選択肢はファーへのクロスになるが、これはターコウスキとマイコレンコが全て跳ね返すことで対抗する。

 三笘にはボールが入る、ひっかけることなくPA内にボールを送る。一見ブライトンペースのように見えるが、インサイドを埋めるエバートンの対応により、ファーへのクロスに結末を収束させることでエバートンは得意な形の対応の範疇で三笘に対応してした。

 左サイドは三笘とエストゥピニャンの2人で関係性が終始していたのも気になった。ここでもう少し存在感のある3人目が積極的に絡めれば展開は違ったのかもしれない。

 しかし、打開策を見つけられないブライトンは強引にインサイドにパスを付けるように。これがエバートンのカウンターの燃料になってしまう。ひとたびボールを奪われるとキャルバート=ルーウィンに時間を作られ、イウォビとマクニールにボールを運ばれ、ドゥクレに走られて後手を踏む。多くの人数を高い位置に上げていたブライトンはこうしてカウンターに晒されるたびに失点の危機を迎える。

 そして、ドゥクレがこの日2点目のゴールをゲット。どこに出すか迷っていたウェブスターのロストからエバートンが見事にカウンターを決める。

 さらに前半の内に3点目をゲット。一度は速攻を止めたかに見えたブライトンだったが、右サイドの守備対応が拙くもう1点追加点を許してしまう格好となった。

 後半、ブライトンは4枚替えで一気に流れを取り戻しに行く。中でも効果があったのは右に入ったマーチ。前半はほぼ三笘一辺倒だったサイド攻撃の翼が右にも揃い、ブライトンはようやく反撃の体制が整う。

 しかしながらエリア内の空中戦の対応力とSHとSBの優れた連携から徐々にエバートンはサイドの封鎖に成功していく。カウンターに対する対策に光が見えないのも変わらず。ブライトンの攻撃に影を落としていく。

 4枚替えを敢行したにも関わらず殴っても殴ってもこじ開けられないブライトン。すると、マーチのパスミスからエバートンがカウンターを発動。これをマクニールが制して試合は4点差に。さらに、このプレーでマーチが足を負傷。リスクを賭して3点差を追い上げに行ったブライトンには最悪のシナリオとなってしまった。

 追撃するブライトンは三笘の折り返しから1点を返すが、トリを飾ったのはブライトンではなくこの日イケイケのマクニール。左サイドから独力で持ち上がると角度のないところからスティールを打ち抜いて5点目をゲット。

 完膚なきまでにブライトンを叩いたエバートン。残留に向けた大きな自信と勝ち点3を手にするビックサプライズをプレミアファンに提供した。

ひとこと

 ハマった時のエバートンは恐ろしい。豪華版ダイチ・バーンリーの名は伊達じゃない。

試合結果

2023.5.8
プレミアリーグ 第35節
ブライトン 1-5 エバートン
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:79′ マック=アリスター
EVE:1′ 29′ ドゥクレ, 35′ スティール(OG), 76′ 90+6′ マクニール
主審:サイモン・フーパー

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