5-4-1我慢の素養が…
リーグ戦との両立が難しいとされるCLの準々決勝以降のラウンド。1週間という間隔を挟んで行われる1stレグと2ndレグの間に挟まれるリーグ戦は非常にハンドリングが難しく、ともすればテンションが緩み思わぬ勝ち点を落とすこともしばしばだ。
となれば、そんなチームと対戦するタイミングを迎えられたチームは幸運といえるだろう。今回でいえばマンチェスター・シティに対峙するレスターはその立場に当たる。
だが、多少の日程面における有利不利くらいでは両チームの差は埋まらないということだろう。レスターは5-4-1でトップにヴァーディを置くという撤退守備+カウンターという専制守備のリスペクトスタンスでこの試合に臨む。
5-4-1の撤退守備というのは非常に根気が必要で、ミスが許されず、体力と精神力が問われる。このように両チームに力の差がある場合、まずは非保持側に十分な精神力があるかを問われる展開が多い。
そうした部分でこの日のレスターは十分とは言えなかった。マンチェスター・シティはあっという間に攻略法を迎える。左右の大外から侵入し、ラインを下げたところでセカンドボールを拾い続ける。時には左サイドにベルナルドとデ・ブライネを終結させることでオーバーロード気味にサイドの打開をすることも多かった。
レスターはクロスの対応が甘く、サイドからの揺さぶりにバタバタしては後手を踏む。立ち上がりすぐに失点しても不思議ではない出来だった。そして、実際に失点をしてしまう。セットプレーからの守備を跳ね返し切れなかったところをストーンズが豪快に仕留めて先制する。
こうした枠の外のプレーというのは多少は仕方ないと割り切れなければいけないのが撤退守備の定めである。しかしながら、2失点目につながったエンディディのハンドは軽率そのものである。こういうプレーが減らないチームは自陣でのプレー頻度を下げることくらいしか回避方法がない。
あっという間に2点のリードを手にしたマンチェスター・シティ。すると、ここでさすがにトーンは下がる。プレッシングの強度が下がってきたマンチェスター・シティに対して、ついにレスターがボール保持の時間を確保できるようになる。
しかしながら、いける!と思うところでミスが出るのが今季のレスターである。前半終了間際に決定的なミスから試合を前半の内にリードされた傷口をあっさりと広げてしまうことに。
3点を決めて簡単に試合を支配するマンチェスター・シティ。さすがにCLウィークということもあり、後半はだいぶトーンダウン。選手交代も含めた積極策でターンオーバーを狙っていく。
ゆったりとした保持の隙をついてカウンターを狙っていくのが後半のレスターのスタンス。しかしながら、ボール保持の正確性にはつながらず。マンチェスター・シティからボールを奪おうとしても空転してばかりだった。
ボール保持で時間を稼ぎ続けるマンチェスター・シティに対して、レスターはセットプレーからようやく1点を奪い取ることが出来たらが、時は既に遅し。イヘアナチョというパワープレーを入れた時は悪くはない流れになったが、試合をトータルで見ると動かすには至らなかったというのが正直なところ。日程では埋められない差が両チームにはあり、その差に比べれば、日程というファクターは小さいものということだったのだろう。
ひとこと
トーンダウンしてなお試合を支配できるのはシティの強さ。
試合結果
2023.4.15
プレミアリーグ 第31節
マンチェスター・シティ 3-1 レスター
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:5‘ ストーンズ, 13’ (PK), 25‘ ハーランド
LEI:75’ イヘアナチョ
主審:ダレン・イングランド