■エースの帰還で劣勢を覆す
マンチェスター・シティを撃破し、最高の開幕を飾ったトッテナム。この日はそのメンバーとシステムを焼き直してのスタメンとなった。あの日のシティが不思議だったのはビルドアップで低い位置のサイドを使わなかったこと。頑なにその部分を使わなかった分、トッテナムのナローな前線の空けたワイドなスペースをあまりうまく使うことができなかった。
一方でウルブスは保持時にそういったこだわりはない上に、基本的にはシンプルにワイドを使える配置。ということでトッテナムの守備の『効いてる』感は前節よりも薄かった。
そんな中で先制点を取ったのはトッテナム。やや幸運な判定でのPKだったが、ウルブスの失い方が悪かったのは確か。裏を取られてしまったところも含めて緩慢な対応を見せたツケを払うことになった。
リードを奪われてもウルブスは攻め手が十分。トッテナムはプレスに強くあたったわけではないけど、ラインは高かったので、ウルブスはサイドの裏から攻めることができていた。トラオレの馬力でぶち抜くのはもちろん、トラオレにタンガンガが気を取られているとおもったら、ヒメネスがそちらに流れるなど工夫もバッチリ。
押し込んだ局面でも静止状態からチャンスを作り出せるトラオレ。昨シーズンはイマイチだったけど、今シーズンは好調のようである。しかしながらフィニッシュが定まらないウルブス。トッテナムも撤退した相手を崩せるわけではないが、ロングカウンターからはやり返す匂いはしていた。
ウルブス優位の試合のバランスが覆ったのはトッテナムの大エースがモリニューに降り立ってから。ここからスコアこそ動かなかったが、速攻も遅攻もワンランク整った感じ。どうやら今夏の残留は確定したようだが、トッテナムファンにとってはこの日の勝利と同じか、それ以上の朗報と言えるだろう。
試合結果
2021.8.22
プレミアリーグ 第2節
ウォルバーハンプトン 0-1 トッテナム
モリニュー・スタジアム
【得点者】
TOT:10′(PK) アリ
主審:スチュアート・アットウィル