シンプルなWG勝負で先手を奪いとる
バルセロナとのクラシコを逆転で制し、決勝に駒を進めることに成功したマドリー。ファイナルの舞台で待つのはオサスナだった。
オサスナのフォーメーションは4-2-3-1が基本。非保持の時間が多くなるのは当然の流れだが、オサスナはマドリーのCBにプレスをかけていく形の強気の4-4-2で相手を捕まえにいく。
マドリーはクロースが列を落とした形でポゼッションをきっちりと握ると前線への縦に早いボールをサイドに付けていく。縦への早いボールは空中戦というよりはオサスナの間延びしたライン間にボールを落とすような恰好でマドリーの前線に収まっていく。
先制点は右から左サイドに展開したマドリーがゲット。2分という電光石火のゴールでヴィニシウスのアシストをロドリゴが仕留めて見せた。
失点しても縦に早いスタンスをやめなかったオサスナは攻撃でも縦志向の強さを見せていく。サイドからシンプルクロスでブディミルを生かすというオサスナの方向性は、やや強引ではあるがマドリーはそれなりに面食らっていたと思う。
しかしながら、マドリーには左右のWGのドリブルという簡単な陣地回復装置がある状態。オサスナはヴィニシウスだろうがロドリゴだろうが1人で見ている状態が続いていたので、マドリーは好き放題な前進が可能だった。
オサスナのスイッチがどこにあったのかはわからないが、30分を過ぎたところからいきなり撤退気味の4-4-2でマドリーのポゼッションをシンプルに受け止めにかかる。それでもライン間に入り込んでいくのがマドリーの怖いところ。結局、オサスナがただ前進しにくくなったという形で前半は折り返す。
後半、オサスナは少しずつ強度を戻しながら前半の頭に回帰していく。ボールを取り返せるようになると、左右にボールを振った後にシュートを打ったトロがゴールをゲット。勢いを取り戻したオサスナが試合を振り出しに戻す。
同点ゴールを決めたオサスナは撤退色を強めてきっちりと守っていく。しかしながら、一般的に自陣でのプレーが増えるとミスが決定的なものになってしまうというリスクがある。それを悪い意味で体現してしまったのがD.ガルシア。処理ミスで相手にプレゼントを渡してしまい、クロースのミドルのこぼれ球をロドリゴが仕留めて試合を動かす。
終盤はオープンなカウンター合戦に移行。オサスナもチャンスを作ろうとマドリーと渡り合うが、カウンターからの得点はマドリーの得意分野。最後までカウンターから追加点におびえながらの守備が続くオサスナだった。
試合はそのまま終了。2-1で逃げ切りを決めたマドリーが9季ぶりで20回目の国王杯を手にした。
ひとこと
ちょっとイレギュラーなプレスをかけてくるオサスナも簡単にかわしたマドリー。CLに向けて順調に準備を整えているようだ。
試合結果
2023.5.6
コパ・デル・レイ
決勝
レアル・マドリー 2-1 オサスナ
エスタディオ・オリンピコ・セビージャ
【得点者】
RMA:2‘ 70’ ロドリゴ
OSA:58‘ トロ
主審:サンチェス・マルティネス
