ECL出場権争いは最終節にもつれ込む
残留争いとは無縁のプレミア昇格2シーズン目。ブレントフォードの旅路は順風満帆なように思われた。しかし、シーズン終盤についに疑惑の男トニーに処分が下されることに。これからブレントフォードは8か月もの間、エースの不在を埋める試練に立ち向かう必要がある。
両チームの対戦はECL出場権をめぐる直接対決になる。トッテナムが勝てば、7位争いからはブレントフォードを消し去ることができるといった状況である。
トッテナムは前節に引き続き4-4-2での形を踏襲。前節はわずかに3-4-3らしさを特に保持では残していたが、今節はよりはっきりとした4-4-2でブレントフォードに挑んでいく。
立ち上がりはファストブレイクの応酬だった。高い位置にプレスに出ていくトッテナムに対して、ブレントフォードはサイドから裏を取る形で応戦。左サイドのヘンリーが核弾頭となり、トッテナムのゴールに迫っていく。
しかし、よりペースを握ったのはトッテナムの方。セットプレーからケインのFKで先制すると、それ以降のファストブレイクでもテンポをつかむ。
特に印象的だったのは右のSBのエメルソンの攻撃参加。左サイドのソンを中心に行う崩しに対して、逆サイドからのオーバーラップで仕上げ役としてPA内に顔を出すように。トッテナムは先制ゴール以降もファストブレイクを中心に決定的なチャンスを作っていく。
一方のブレントフォードはやや苦戦が目立つ内容だった。自陣からの保持は先制点以降はボールを持たされる展開が続き、打開の方策が見えてこず。同点にもっていく糸口をつかめずに苦しい状況に陥る。
後半頭は均衡した立ち上がり。両チームともじりじりとゴールを狙う中、先にネットを揺らしたのはブレントフォード。スローインからウィサが逆サイドのムベウモまでつなぎ同点ゴールをゲット。試合を振り出しに戻す。
トッテナムは負けじとケインにチャンスがあったが、これをものにできず。逆サイドにはフリーのソンがいたが使うこともできなかった。
同点ゴールを皮切りに勢いに乗ったのはブレントフォード。とくに絶好調だったのはムベウモ。デイビスとラングレの裏を強襲したムベウモのゴールでブレントフォードは逆転に成功する。さらにはスキップのミスに漬け込む形でウィサが決定的な3点目を手にする。
トッテナムも終盤には攻め込む姿を見せるが、立ちはだかるのはラヤ。守護神がトッテナムに追撃弾を許さない。
結局試合はそのまま終了。前後半で試合が一変したこのゲーム。アウェイのブレントフォードが見事な逆転勝ちを決めてECL出場権獲得に望みをつないだ。
ひとこと
エースなしでこれだけトッテナムと張れるので来季の心配は少し薄くなった。
試合結果
2023.5.20
プレミアリーグ 第37節
トッテナム 1-3 ブレントフォード
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:8′ ケイン
BRE:50′ 62′ ムベウモ, 88′ ウィサ
主審:ジャレット・ジレット