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「Catch up FA Cup」~2023.6.3 FA Cup 決勝 マンチェスター・シティ×マンチェスター・ユナイテッド ハイライト

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ストーンズの中盤での存在感が増した理由

 シティはプレミア、ユナイテッドはカラバオ・カップのタイトルをすでに手中に収めている。FA杯の決勝は共に今季2つ目のタイトルをかけてのマンチェスター・ダービーとなった。

 同じ都市を本拠地とする両チームの激しい一戦が期待されたが、試合が動いたのはわずか13秒。オルテガからのロングボールをハーランド→デ・ブライネがつなぎ、ギュンドアンがボレー。デ・ヘアが一歩も動けないまま、シュートはネットに突き刺さった。

 このシーンに限らず、オルテガの後方からのフィードを活かす組み立ては効いていた。シティはいつも通り、CBを1列前に置く3-2型だったが、オルテガがストーンズの本来いるべき位置である右のCBに入ることで後方は4バック化する。

 ユナイテッドは高い位置からのプレッシングを仕掛けてはいたが、ラッシュフォード、エリクセン、サンチョ、ブルーノの4枚以上を前のプレスにかけることはせず。シティは後方を6枚で回しつつ、時折ウォーカーやストーンズが高い位置を取ることで5枚に減らし、攻め込みをかけていく。いずれにしても低い位置でユナイテッドのプレスに屈するシーンは皆無だった。

 アタッキングサードに加速する術としてシティが講じたのは中央を開けるアクション。カゼミーロが自身についてくることを利用したギュンドアンがワイドに開くことで、ユナイテッドの2人のCHの間の距離を広げる。

 ここに登場したのがハーランド。フレッジとカゼミーロの間に顔を出して、ポストプレーを敢行。中央をかち割って前向きの選手を作ることでスピードアップに成功した。

 ユナイテッドはエリクセンが下がることでこのスペースを埋めることに対応。前プレに動員していた選手を下げる対応をしたため、前プレの圧力は下がる。よって、後方でプレッシャーのなくなったストーンズやロドリ、ウォーカーが積極的に高い位置を取ることができるため、よりシティペースが強まることになる。

 ユナイテッドに対して、シティは枚数合わせてのハイプレスのような強烈なプレッシングをしていくことはなかった。ただ、ユナイテッドはそうした状況に置いてもとっとと高い位置にロングボールを当てていくことで解決を図る。

 ご存知の通り、シティのバックラインは屈強。一発のロングボールで抜け出せることは少ない。それでもラッシュフォードのポストを大事に根性で繋ぎながら、少しずつチャンスを手繰り寄せていくユナイテッド。特に右サイドはワン=ビサカやブルーノの抜け出すアクションから少しずつ前向きの選手を作れてはいた。

 しかしながら、前向きの選手もすぐにシティのマーカーに囲まれることに。後方でボール保持の手順を踏まずに前にボールを送っていたユナイテッドは前線に十分な人数を送り込むことができず。得点の匂いとは程遠い状況が続く。

 だが、そうした状況からユナイテッドは同点に。右サイドに攻め上がったワン=ビサカがグリーリッシュのハンドを誘ってPKをゲット。これをブルーノが決めてわずかな隙から同点に追いつく。

 試合の流れは得点であまり変化がなかった。ユナイテッドは無理にプレスに行く理由がなくなったし、シティは十分に前にボールを運べていたので、こちらもあえて変える理由がなかったのだろう。試合は局面に変化が起きないまま1-1でハーフタイムを迎える。

 ハーフタイムを挟んで少し変化をつけてきたのはユナイテッドの守り方。前の4枚のプレス隊がナローな立ち位置を取ることが印象的だった。特に左のSHで前半スタートしたサンチョがインサイドに立つことが多かった。

 おそらくではあるが、サンチョはロドリの脇にたつストーンズをケアする役目だったのだろう。交代で入ったガルナチョも同じ役割を引き継いていた。

 だが、対策を講じてもストレートに乗ってくれないのがシティのボール保持である。前の4枚がナローならば、放置されているウォーカーから攻め上がることができるし、ストーンズは列を上げてIHのようにプレーする機会をさらに増やす。

 ストーンズ、ウォーカー共に攻め上がりの方向性にもっていく方策だったため、ユナイテッドはシティに枚数をかけさせてカウンター時のシティの後方の陣形を手薄にしたかったのかもしれない。しかしながら、シティはボールの失い方が悪いケースが少なく、ユナイテッドの描いていたカウンターが実現する場面はほぼなかった。

 そして、こうした盤面の変化とはあまり関係なく、シティはセットプレーからギュンドアンのミドルで勝ち越し。またしても仕事をするギュンドアン。不透明な去就も含めて完全に終盤戦のシティの主役である。

 ビハインドになったユナイテッドは再び根性で前に進んでいくケースを増やしていく。前に人数をかけることができれば、それなりに攻撃は成立しそうな予感はある。リンデロフの根性の持ち上がりから見られたラッシュフォードのミドルや、ガルナチョの仕掛けはその代表例と言えるだろう。

 しかしながら、そうした機会を与えない形でクローズするのがシティ。終盤は1点差にもかかわらず、試合はシティによってむしろ寝かされる形で終了する。

 今季2つ目のタイトルを手にしたのはリーグ王者のシティ。来週に控える3つ目のタイトル獲得に向けて弾みのつく勝利を挙げた。

ひとこと

 基本的にはシティが常に先手を取っていたため、この勝敗になるのは納得だろう。この試合でユナイテッドが根性でなんとかしていた前進のフェーズをどこまで整備していけるかが、テンハーグ政権2年目の課題になりそうだ。

試合結果

2023.6.3
FA Cup 決勝
マンチェスター・シティ 2-1 マンチェスター・ユナイテッド
ウェンブリー・スタジアム
【得点者】
Man City:1′ 51′ ギュンドアン
Man Utd:33′(PK) ブルーノ・フェルナンデス
主審:ポール・ティアニー

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