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「Catch up UEFA Nations League」~UEFA Nations League Semi-final スペイン×イタリア~ 2023.6.15

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らしさに回帰したスペインが土壇場で試合を決める

 デ・ブライネが批判したようにネーションズカップはEUROやワールドカップに比べると現状では価値が低い大会と位置付けることができるだろう。ましてや、欧州のリーグ戦が終わったばかりの6月であれば、なかなかテンションを上げるのが難しいかもしれない。

 しかしながら、イタリアとスペインの両雄はこの試合に非常に高いテンションで臨んだ。高い位置からのプレスにスペインが出ていけば、イタリアもオールコートマンツーのような形で対抗。ボールが素早く行きかう落ち着かない展開となった。

 このハイプレス合戦で先手を取ったのはスペイン。ボヌッチのところをガビがひっかけたところからピノが仕留めて先制。開始3分でリードを奪う。

 失点してもお構いなしのスタンスを見せたイタリア。高い位置からのプレッシングを継続し、左サイドからは攻め込める手ごたえをつかむ。中盤で捕まえうるのが遅れがちなジョルジーニョからもチャンスが徐々に供給されるように。

 すると、そのジョルジーニョのパスから抜け出したザニオーロがル・ノルマンのハンドを誘発。デビュー戦となったル・ノルマンにはほろ苦いデビューとなった。インモービレがこのPKを仕留めて、イタリアが同点に追いつく。

 同点以降はイタリアが優勢。ジョルジーニョを捕まえ遅れやすいスペインのプレスと、裏へのランをいとわない2トップとフラッテージとバレッラのインサイドコンビでスペインを圧倒。特に2トップ+WBでスペインの4バックをピン止めしてからのIHの抜け出しは強力だった。

 スペインはむしろハイプレスからのファストブレイクの方が得点の香りがある状況。ポゼッションで攻め倒すよりも先制点を得た状況を作るほうがゴールの近道という感じだった。試合はイタリアが優勢ながらもスコアが動かないままハーフタイムを迎える。

 後半はスペインが押し込む立ち上がり。SBの位置に降りてくる選手をローテすることでイタリアのハイプレスの狙いをへし折る。列落ちからハイプレスを壊すというのはいかにもスペインらしい。

プレス回避以外にもスペインは対角パス+サイドのトライアングルからのメリーノの決定機を迎えるなど、前半よりもポゼッション色の強いチャンスの作り方でイタリアを脅かした。しかし、これはドンナルンマが神セーブで立ちふさがる。

 イタリアはスペインの保持に対しては下がらざるを得ない展開に。プレスに出ていけない分、前半よりも明らかに苦しい流れを掴まされることになる。

 60分の交代でイタリアは再びハイプレスを起動。この日躍動していたフラッテージが放ったシュートはこちらもウナイ・シモンによって無効化されてしまう。

 スペインは再起動したイタリアのプレスをすぐに鎮静化すると、再び押し込んでいくフェーズに。イタリアが踏ん張り切って延長戦が見えてきたところでついにスペインが勝ち越しゴールをゲットする。

 左サイド、ファティとカナレスで巻き取った左サイドからイタリアを押し下げると、ロドリにミドルのチャンスが。このミドルのこぼれ球をホセルが押し込む形で試合は決着する。

 この夏にマドリーに復帰するストライカーの決勝点でスペインがイタリアに勝利。クロアチアの待つファイナルに駒を進めた。

ひとこと

 らしくない前半から、超らしい決勝点にたどり着く後半。イタリアのジョルジーニョ+無限裏抜けも面白かったが、スペインの原点回帰による決勝点もとてもよくDNAが表れているゴールに思えた。

試合結果

2023.6.15
UEFAネーションズリーグ
準決勝
スペイン 2-1 イタリア
デ・フロルーシュ・フェステ
【得点者】
ESP:3‘ ピノ, 88’ ホセル
ITA:11‘(PK) インモービレ
主審:スラヴコ・ビンチッチ

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