Fixture
プレミアリーグ 第11節
2022.10.16
リーズ(14位/2勝3分3敗/勝ち点9/得点11 失点12)
×
アーセナル(1位/8勝0分1敗/勝ち点24/得点23 失点10)
@エランド・ロード
戦績
過去の対戦成績
過去10回の対戦でアーセナルの8勝、引き分けが2つ。
エランド・ロードでの対戦成績
過去10戦でリーズの2勝、アーセナルの7勝、引き分けが1つ。
Head-to-head from BBC sport
スカッド情報
【Leeds】
・ルイス・シニステラは1試合の出場停止から復帰。
・ジュニオール・フィルポはフィットしたが、レオ・イェルデは来週まで欠場。
【Arsenal】
・木曜日のELを欠場したガブリエル・ジェズスは復帰見込み。
・オレクサンドル・ジンチェンコ、エミール・スミス・ロウ、モハメド・エルネニーは欠場見込み。
Match facts from BBC sport
【Leeds】
【Arsenal】
予想スタメン
展望
■瞬く間にフィットした新戦力
ハリソンの劇的なゴールで残留を決めた昨シーズンのリーズ。劇的な5月を経て、待っていたのは出会いと別れの夏である。この夏のリーズは非常にエポックメイキングな移籍を多く経験してきた。
壮大なメロドラマのようなエピソードが紡がれた結果、バルセロナ行きで決着したラフィーニャやその隙にシティがスマートに交渉をまとめたフィリップスなどこの夏は主力の売却に踏み切ったリーズ。こうした重鎮たちの代わりに入ってきたのはプレミア経験のない選手たちだった。新戦力たちはかなり早くチームにフィットし、主力として稼働をしている。
真っ先に定着したのはCHの2人。ロカとアダムスのブンデス組は開幕からレギュラーを奪取。守備に走り回れる献身性と安定した足元のスキルでフィリップスがいなくなった中盤をここまで見事にカバーしている。プレミア未経験ながら即フィットが要求されるスカッド構成の中で、素早く期待に応えたスピード感も評価したいところである。
次にフィットしたのは2列目のアタッカーであるアーロンソン。ラフィーニャとは異なるタイプではあるが、推進力で中盤から一気にフィニッシュまで持っていける馬力があるという点では同じ。個人で相手を破壊することができるスキルを持っている選手である。
同じく2列目から徐々に出番を増やしているのはオランダからやってきたシニステラ。ドリブルもフィニッシュもいける高いポテンシャルで2列目の火力アップに貢献している。
マーシュが取り組んでいるのはビエルサ時代とは異なる形でリーズらしいエネルギーに満ち溢れるスタイルを構築するということだ。高い位置からプレスに行きたいスタンスは見せてはいるが、ビエルサほど原理主義に傾倒していない。SHがトップを助ける意識が強い4-4-2くらいのイメージである。
トップにバンフォードが入ればある程度相手のバックラインのパスの左右の方向を制限することができる。バンフォードの高い位置からの誘導があるかどうかはリーズにとっては非常に重要なファクターだ。
彼の誘導によってボールを片側のサイドに閉じ込めることができれば、後方の選手たちは迷いなくプレスに行くことができる。だが、それができなければアーセナルのように広くボールを回してくる相手には苦戦を強いられることになるだろう。
保持は何と言ってもアーロンソンをはじめとした2列目の爆発力が要である。ライン間においては多少狭いスペースであっても、アーロンソンはターンが可能。そして素早い初速で相手を抜き去り、一気にフィニッシュまで持っていける推進力がある。リーズは彼にボールを集めて一気にフィニッシュに持って行く形が多い。
その一方で彼にライン間でボールを受けさせる仕組み作りが十分かといわれると疑問符が残るところ。バンフォードの裏抜けと合わせたコンビネーションを生かすことができればアーロンソンやシニステラをより強力な武器にすることができる。
いずれにしてもプレス精度とスペースメイク的にバンフォードは不可欠。ロドリゴは好調ではあるが、バンフォードにしかできない部分はある。勤続稼働に不安がある彼がどれくらいのプレータイムを確保できるかはリーズにとって重要なポイントになるだろう。
■適切なライン間の管理を
まず、アーセナルにとって懸念になるのは移動である。かなり緯度が高いノルウェー北部の地から中2日でロンドンから離れたヨークシャー地方に遠征に行くのがこの週末のアーセナルである。少なくともワールドカップまでの間においては移動面で最も厳しい日程になっている。というわけでコンディション管理はかなりシビアに行う必要がある。
崩しのポイントとしてはまずはリーズの前プレを受けて立つことだと思う。リーズは保持側がバックラインでボールを回していると、2列目がどんどん前がかりになっていく。このリーズの2列目の前がかりになり具合は割と選手によってバラバラなので、スペースにギャップができやすい。
そのスペースに人を落として反転して前を向く。そこからラストパスや大きな展開を仕掛けていく。その仕掛けができる選手を作ることが目標となる。リーズの前がかりな姿勢を活用すれば、深い位置で前を向けるスペースを作ることができるはずだ。
WGでの今節も1on1は狙っていけるとは思うが、いつものように手段は大いに越したことはない。ホワイトのオーバーラップなどでサイドから揺さぶりをかけることでも深さを作っていくトライを行い、同サイドでの崩しを丁寧に行っていきたい。
リーズの保持で警戒したい部分はCHのロカとアダムス。そしてライン間のアーロンソンが受けられるスペースである。この2か所を共に潰すのが目標だ。
特に警戒したいのは2列目の方だ。前線のプレス意識が強ければ強いほどMF-DFの間は間延びしやすい。トーマスとバックラインであればこのあたりも管理できるとは思うが、前を向かせる前に決着させるのは徹底したいところ。マンチェスター・ユナイテッド戦はこのライン間のスペース管理の拙さで敗れてしまった感があるので、同じミスは繰り返したくはない。
メリエの癖をよくわかっているサカをはじめ、ハイプレスの意識は持っておきたいはず。ミドルゾーンから脱出させなかった前節の後半のパレスのように、なるべくであれば勝負する場所はリーズ陣内に近い位置に定めたいところだ。