柏の5バックへの変更がC大阪を勢いづかせる
互いにロングキックからスタート。長いボールでジャブを打ちつつ落ち着かない展開の推移を見る立ち上がり。この展開を制して先行したのは柏。サヴィオの仕掛けから中央の山田に斜めのパス。逆サイドの戸嶋に流して先制点を奪い取る。
失点シーンをC大阪から見るとサヴィオの仕掛けに気を取られたのかライン間をガラ空きにしてしまい、山田に簡単にターンをさせてしまう隙を作ってしまったのは失策。ボールが入った後も全体的にラインを下げる対応を優先してしまった結果、角度のあるところからでも戸嶋にあっさりとシュートを打たれるゾーンまで侵入を許してしまった。
先制点の勢いに乗り、畳み掛けていく柏。セットプレーで畳み掛けていくなど、C大阪を自陣から脱出させない。
C大阪は徐々に落ち着いたボール保持を行うように。ラインダウンした香川とCBがバックラインから組み立てを狙っていく。CHは片方がラインダウン、片方が2トップ脇というオーソドックスな配置で前進を狙う。だが、柏のブロックを迂回するようにボールを回すのが精一杯。なかなかインサイドにパスを差し込むことができない。
ならばということで外循環でハーフスペースアタックを狙うが、この狙いも柏にとっては想定内。先読みでスペースごと潰されてしまい効果的な前進はできない。C大阪はボールを持つ時間自体は確保することができたが、ゴール前に迫ることができなかった。
一方の柏はこの間もロングカウンターで反撃に。サヴィオの仕掛けがあれば成り立ってしまうのはC大阪にとっては厄介なことだっただろう。
後半もボールを持つのはC大阪。ポゼッションを確保しながらも侵入できない流れが続く。柏は基本的にはブロック守備を構えるも、ハイプレスから進藤のミスを誘うなど、色気を出しながらプレッシングしていく。
時間がある程度経過したことで柏は三丸が登場し5-4-1に。この交代でC大阪は対角パスから柏のWBと1on1のシーンが増えるように。結果的には明らかにC大阪がエリア付近に迫りやすくなった交代となってしまった。それでも細谷とサヴィオでカウンターの線が生きていたのは柏にとっては救いではあったが。
徐々に匂いがするシーンが出てくるようになったC大阪。SBの毎熊が侵入する場面が増えてくるなど5バックへのシフトを契機に攻め込んでいく。
そしてその時は96分。左サイドで片山を剥がしたカピシャーバからクロスをファーにあげて進藤が仕留める。
土壇場でゴールを決めたC大阪。柏にとってはホームで逃げ切りに失敗した痛恨の試合となってしまった。
ひとこと
5バックにシフトした割にはバックラインの強度が上がらなかったことは誤算。相手を引き込んでしまったのが悪い方向に転がってしまった。
試合結果
2023.8.12
J1 第23節
柏レイソル 1-1 セレッソ大阪
三協フロンテア柏スタジアム
【得点者】
柏:4′ 戸嶋祥郎
C大阪:90+6′ 進藤亮佑
主審:木村博之
