Fixture
明治安田生命 J1リーグ 第26節
2023.9.2
セレッソ大阪(6位/13勝3分9敗/勝ち点42/得点35/失点26)
×
川崎フロンターレ(9位/9勝6分10敗/勝ち点33/得点34/失点33)
@ヨドコウ桜スタジアム
戦績
近年の対戦成績
直近5年間の対戦でC大阪は6勝、川崎は4勝、引き分けが4つ。
C大阪ホームでの戦績
直近10戦でC大阪の4勝、川崎の4勝、引き分けが2つ。
Head-to-head
- 直近5試合の公式戦の川崎戦でC大阪は無敗(W2,D3)
- しかしながら直近3回の対戦はいずれも引き分け。
- 前回の対戦はスコアレスドロー。リーグ戦でどちらかのチームが無得点で終わったのはこのカードでは14試合ぶりのこと。
- 直近7試合のリーグ戦では両軍合わせて29点が入っており、1試合平均4ゴール以上が記録されている。
スカッド情報
- 清武弘嗣は負傷箇所の再検査で手術を行い離脱中。
- 奥埜博亮は右膝外側半月板の損傷で離脱中。練習試合に出場した模様。
- 山中亮輔は右のアキレス腱部分断裂で離脱中。
- 為田大貴は左膝外側半月板損傷により離脱。
- ジェジエウは左膝外側半月板損傷により長期離脱。
- 大島僚太は右下腿三頭筋肉離れで離脱。
予想スタメン
Match facts
- 勝てば今季2回目のリーグ戦3連勝。
- 直近5試合のリーグ戦は勝ちと負けが交互に来ている。
- 順番で言えば「負け」のターン
- 今季公式戦で先制された時の12試合でここまで勝ちがない(D3,L9)
- 75分以降に12得点、10失点。最も得点を取られ、得点を取っている時間帯。
- カピシャーバは直近3試合で2つのアシストを決めている。
- レオ・セアラは直近9試合で6得点。
- 公式戦12ゴールでリーグリーダー
- リーグ戦は直近5試合勝ちなし。
- リーグ戦での直近6試合の勝利はいずれもクリーンシート。
- 直近5試合のリーグ戦では12失点。
- ここまでリーグ戦の失点33。優勝を経験した4シーズンにおける年間失点をすでに上回っている。
- 今季ここまで外国籍選手はリーグ戦で得点を決めていない。
- 昨シーズンは年間で19得点。
- 遠野大弥はリーグ戦直近27試合ノーゴールが続いている。
予習
第23節 柏戦
第24節 横浜FC戦
第25節 名古屋戦
展望
依存脱却完了!多彩な攻撃の柱
3月の対戦の際にはどちらのチームも壁に当たっている苦しい状況にある感じがしたC大阪と川崎。あれから半年が過ぎ、置かれている状況には差が出てきたと言えるだろう。
C大阪は今季の形の集大成が見えてきた感じがある。メンバー、使いたい形、連携など十分な手応えでチームがある程度固まってきた感がある。特に動かせないのは前の6枚だろう。リーグ戦のスタメンは固定されるケースが多く香川、喜田、カピシャーバ、クルークス、セアラ、上門はレギュラーの座を確保した感がある。怪我人が戻ってこなければ、彼らは不動の存在と言っていいだろう。
これまでC大阪の攻撃はサイドからのクロス、とりわけ山中に依存している感があったが、現状ではその依存は綺麗さっぱり消えて新しい連携を築いている。しかも、単独ルートではなく複数のルートで。
格になっているのは3人の外国籍選手である。最もインパクトが強いのはCFのレオ・セアラ。前進の局面においてはボールの預けどころになり、正確なポストでの落としや大きなサイドチェンジからのカウンターの加速。および広いスペースへの展開というところで攻撃の基準点になっている。
そしてフィニッシャーとしても優秀。左右のクロスに合わせるパワーヘッドで相手のDFを蹴散らしており、マークがずれなくても豪快なフィニッシュを決める力がある。このように前進局面とフィニッシュの局面の両方で大きな力となっており、名実ともにエースの座を確保している。
カピシャーバはセアラの恩恵を受けている。ポストの落としからインサイドでフリーで持てば推進力から抉るようなドリブルを見せることができる。アウトサイドからは左足でアシストを決めるなど、攻撃への寄与は幅が広い。
右サイドでは大外のクルークスに対して、今最もJリーグでホットなSBである毎熊のサポートがある、カットインと裏抜けを両面で行うことができる。わかっていても止めにくい二択でクルークスは相手の警戒が甘い方の選択を余裕を持って行うことができる。
こうした外国籍選手たちを軸とした崩しが期待できるのが今のC大阪。サイドにボールを散らしていく香川がインサイドを広げる司令塔として働くことができるのも大きい。
また、シンプルに強度面でも強みは十分。前節は90分間名古屋と早い展開で渡り合い、強度で殴り合った感がある。縦への推進力を生かした形においてはセアラと上門の2人で攻撃を完結する力がある。
負傷者こそ多いが個々のコンディションは非常に良さそう。その名古屋戦では代表経験者の中谷を上門と北野がターンから打ち破っての得点を決めており、好調さをアピールすることに成功している。
外国籍選手たちを軸とする攻撃の連携、強度の高い展開でも問題なくやり切れる体力、日本人アタッカーの好調さ。これらが今のC大阪の高い完成度を支えている要素と言えるだろう。
前線に救世主は現れるか?
川崎からするとめちゃめちゃ動けるC大阪に中2日のPK戦後に戦うというのは悪夢のようなもの。今季のプライオリティを考えれば、コンディションを天皇杯ではなくリーグ戦にフォーカスしているということは考えにくく、ポテンシャル×日程の両面で強度は大きく水をあけられる一戦になるだろう。
この部分を埋める考え方をするならば、基本的にはスペースを埋めながら試合の切り替えの頻度を下げる考え方をするのが妥当になる。ベタ引きしたとてC大阪を抑えられるとは限らないが、オープンな打ち合いを受け入れるくらいであれば、こちらの路線の方が可能性は残されているように思う。
フォーメーションとしては4-2-3-1の方が層が薄いCHをローテしやすく、ハーフスペースのアタックに対応しやすいという点で4-3-3よりも撤退守備には向いているように思う。C大阪の右サイドの特性を踏まえても、この試合はこちらの形の方が適性が高いのではないか。
撤退での4-2-3-1を成り立たせるためには少ない人数で攻撃を成り立たせることができるアタッカーの存在が欲しいところ。マルシーニョ、ダミアンのようなコンディションさえ整えば局面をひっくり返すことができるアタッカーで解決策が見つかるのであれば、ローラインで相手を受け止めるプランの正当化はできるだろう。
ゴミスも含めて、個人で何かができる存在はこの試合においては喉から手が出るほど欲しい。C大阪は外国籍選手の躍進が著しいが、ここまでリーグ戦で無得点の川崎の外国籍選手たちにはこの窮地で縋っていきたいところである。
撤退ではなく真っ向から組み合うのであれば、サイドで後手を踏むプレスを避けたいため、WGが出ていくところはかなりシビアになる。中央では香川を押さえながらセアラへのロングボールを挟みながら封殺。中盤での間延びはいかにも避けられなさそうなミッションであり、抑えるポイントは非常に多い。やはり難易度は高くなるだろう。
ビルドアップにおいてはクルークスのプレッシングの立ち位置が少し前になることで2列目にズレができるシーンはなくはない。
車屋、登里を軸にクルークス周りをつっつくことができれば打開の可能性は見えてくる。天皇杯で兆しがあった左サイドから切り拓くことができれば、C大阪相手を切り崩すきっかけを作ることができるだろう。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)