Fixture
プレミアリーグ 第4節
2022.8.27
アーセナル(1位/3勝0分0敗/勝ち点9/得点9 失点2)
×
フラム(7位/1勝2分0敗/勝ち点5/得点5 失点4)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績

直近10試合の対戦でアーセナルの6勝、フラムの1勝、引き分けが3つ。
アーセナルホームでの対戦

直近10試合の対戦はアーセナルの6勝、引き分けが4つ。
Head-to-head from BBC sport
・アーセナルは直近30試合のホームでのフラムとの公式戦で負けなし(W24,D6)
・フラムは直近の2021年4月の対戦で上記の記録をストップできそうだったが、エディ・エンケティアの後半追加タイムの得点でそれを阻まれた。
スカッド情報
【Arsenal】
・ももを負傷しているリース・ネルソンは唯一の怪我人。
【Fulham】
・前節、鼠蹊部を負傷したネースケンス・ケバノは試合前に評価を行う。
・ハリー・ウィルソン、マノア・ソロモンは膝の負傷で向こう数週間は復帰にかかる見込み。
Match facts from BBC sport
【Arsenal】
・プレミアでここまで全勝している唯一のチーム。
・2010年にニューカッスルに0-1で敗れて以来、昇格組とのホームゲームは33試合無敗(W28,D5)。
・この試合がミケル・アルテタのプレミア100試合目。ここまでの99試合で52勝を挙げている(D16,D31)。
・ガブリエル・ジェズスはアーセナル加入後のプレミア3試合で5つのゴールに関与している(2G,3A)。
【Fulham】
・開幕3戦で無敗(W1,D2)。開幕4戦を無敗で切り抜けた経験はトップリーグにおいては2010-11の一度だけ。
・先週末のブレントフォード戦での3-2での勝利で、24試合に及ぶプレミアにおけるロンドンダービーの未勝利記録を止めた。
・今月初めにフラムに加入したベルント・レノはアーセナル時代に101試合のプレミア出場で25試合のクリーンシートを達成している。
・マルコ・シウバは6回のアーセナルとの対戦で3勝3敗。3勝はいずれも異なるクラブを指揮して挙げたもの(オリンピアコス、ワトフォード、エバートン)。
予想スタメン

展望
■重要なのはどこで守れているか
第4節で迎えるロンドンダービーは無敗対決。久しぶりの首位に立っているアーセナルと、開幕戦でリバプール相手に引き分けてから3試合無敗を続けているフラムの一戦である。
プレミア経験のあるマルコ・シウバに率いられたフラムの特徴は何と言ってもミドルゾーンにおけるプレッシングだろう。トップのミトロビッチとトップ下のペレイラを先頭に4-4-2で組まれたプレッシングはリバプールも手を焼いたものであった。
先頭の2人はアンカーとCB、時にはGKまでプレッシャーに行くなど非常に広範囲に動き回っているのが特徴。受け渡しはスムーズで、サイドに閉じ込めるように守るディレクションが出来ているので、2列目も含めた守備が機能しているといっていいだろう。竹内さんによるとミトロビッチはこの部分がとても向上したらしい。
22:00以降 明らかオフサイドの人をつくる裏抜けダミー2連発。チャンピオンシップでもやってたやつだけど、オフサイドディレイがあるプレミアではめちゃめちゃ効くと思うのでずっと続けてほしい。あとミトロヴィッチが流れ切らずにハーフスペースで裏抜けするのもプレー改革の賜物。すばらしい。
— 竹内 達也|Tatsuya TAKEUCHI (@thetheteatea) August 7, 2022
バックラインも基本的には重心を挙げてのハイラインで対応。楔となるパスはがっちりと後ろから食いつきながら自由を奪っていく。
よって、フラムの守備はシンプルにどのエリアで守れているかでどの程度うまくいっているかを判別できる。ミドルゾーンから敵陣付近までのところで守れていればおおむねOK。一方で自陣深い位置での守備機会を求められると段々とジリ貧になっていく。そういう意味では非常にわかりやすいチームといえるだろう。
押し込まれてしまうきっかけとなってしまうのは裏抜けに対する対応である。降りていくWGについていくSBの裏のスペースはその代表格。ラインを上げるタイミングで逆を取られてしまい、裏を破られてしまうとここから一気にゴールに加速してしまうのは想像に難くないだろう。

フラムがこのミドルゾーン主体のやり方を取っている背景としては、撤退守備をさせられてからのサンドバック状態をどうしても避けたいというのはあるだろう。よってアーセナル戦でも同じ戦い方は個人的には採用される可能性は高いとみる。レスターが同様な理由で前に出てきたのと同じである。
保持においては非常に軽いタッチが多いのは特徴。チームの調子がいいとテンポが出てくることが多く、少ないタッチとポジションチェンジを駆使しながらピッチを広く使っての攻撃を仕掛けてくる。特に相手を背負えるミトロビッチと相手を1枚剥がせるペレイラ以外は速いテンポでパスを回しながらフリーになる選手を作る動きを志向する。
特に右サイドにボールがあるときはH・リードが流れることも多く、守備側はここに遅れて対応するようだと穴を空けてしまうことになる。正しい対処法は竹内さんが示してくれている。
8:30 ハリソン・リードのチャネルラン。この動きは天才的に上手いけどクロスが通ることほぼないのでプレミアリーグ諸氏は無警戒で大丈夫です。むしろついていくとやり直されるよ。
— 竹内 達也|Tatsuya TAKEUCHI (@thetheteatea) August 7, 2022
CFのミトロビッチは絶好調で相手を背負うだけでなく、そこから抜け出しやドリブルでの突破など多彩な攻撃で守備陣を脅かしている。開幕戦は2得点もさることながら、ファン・ダイクからのPK奪取は鮮烈だった。非保持のプレッシングもそうだが、できることを増やして帰ってきた感が強いここまでのパフォーマンスとなっている。
■SBの人選は興味深い
アーセナルにとってこの試合で最も重要なのはやはりフラムの項でも触れたプレーエリア。どこまでフラムのプレスに屈せずに押し返すことができるかである。リバプールもそうだが、彼らのミドルゾーンのプレッシングを正しく処理できない時間が長引いてしまうと手痛いしっぺ返しを食らうことになる。このプレスをきっちりかわさなければ前進は難しい。
彼らの守備のポイントは2トップがアンカーの受け渡しをこなしながら守備の方向誘導していることがプレスが機能する際の起点になっていることだ。中盤の押し上げはサボらないチームではあるが、トップのプレスの手助けによって思い切り押し上げられている側面が大きい。
よって、アーセナルが目指すのはトップの守備をきちんと外すこと。前プレ志向があるチームにとってGK、CB、アンカーまでを一気に引き受けるのは負荷が高い。
まずは2トップをタスクオーバーに追い込み、守備の方向誘導をさせないことが最優先だ。そのためにはGKがビルドアップに絡む、CBが横幅を取ってパス交換する、そして空いたCBは運んで1列前に。クリーンに2トップのプレスをかわすことができれば、ここから一気に陣形を敵陣側に押し下げることができる。
逆に降りてくる動きの多用は避けたい。フラムが陣形を押し上げる手助けになっているからだ。降りる際には相手がついてきた穴を奥の選手が活用できる形になっていることが望ましい。降りるくらいならダイレクトに高いラインの裏を取る動きを増やすことも有効だろう。
そういう場面を増やすことができれば2トップのプレスは台無しになる。フラムの心を折り、相手陣でのプレータイムを増やすことがこの試合の攻守におけるアーセナルの最重要ポイントといえるだろう。
それにあたって気になるのはSBの人選である。保持において相手のプレスの矢印を外したり、空いているスペースに顏を出すという点では明らかにジンチェンコの得意分野。これまで先発で継続起用されていることなどからもジンチェンコがすんなりスタメンに名を連ねる可能性は高い。
一方で、この試合に関しては大外から山なりのクロスを上げてくるテイテイ、右サイドに流れながらちょっかいをかけてくるH.リード、そしてファーでクロスを待ち構えることが多いミトロビッチなど左のSBには守備面で求められることは結構多くなっている印象である。
そういう意味ではティアニーが優先される理由もある試合といえるだろう。個人的には左サイドの流動性が武器になっているシーズンにおいて、ティアニーがビルドアップでどこまで絡んでいけるのか、あるいはティアニーが入った時にチームが見せる顔をどのように変えるのか?など気になる部分もある。
どこからフラムの攻略に挑んでいくのか。この試合のSBの人選は非常に興味深い部分である。