■ファン・ダイク起点の2つのセットプレーが勝敗を分ける
今季初対戦は4得点の大勝という特大のインパクトでリバプールを粉砕したナポリ。その後の彼らのCLやセリエAでの戦績はこのインパクトがフロックではないことを示している。リバプールが以降の連勝で追いかけようとも、開幕戦で開いた両チームの間の3ポイントの差は縮まることはなかった。
両チームがともに連勝を重ねたことでアンフィールドでのリマッチにおいてはかかるものが少ない状況に。共にノックアウトラウンドへの進出は決定しており、順位の入れ替えには第1節でついた3点もの差をリバプールがひっくり返さないといけない。リーグ戦の事情も鑑みれば、今のリバプールには首位通過を強引に狙いにいく余裕はないだろう。
というわけで追いかける側のリバプールの状況もあり、無理をしない立ち上がりになった。とはいえ両チームとも力があるため、守備面ではきっちり相手を咎めることができていた。
ナポリはバックラインが広がりながらのポゼッション。中盤は1人降りてきながらパスを受けるが、その役割はアンカーのロボツカでなくてもOK。IHのザンボ=アンギサかエンドンベレも交互に降りてくる役割をこなしていた。IHは降りてきたWGに合わせるように前線に飛び出すタスクも。特にザンボ=アンギサは積極的に飛び出しをこなしており、ズレを作り出すことに貢献していた。
一方のリバプールはナポリのプレス隊がオシムヘン1枚ということを利用しながらの前進。自由にボールが持てるCBから左右と前線の裏にフィードを飛ばしながらの前進を行う。大外のサラーでの勝負か、左サイドの裏抜けがメインの形となっていた。だが、どちらも守備陣が強固。若干詰めがアバウトな両チームの保持をきっちりと咎めていく。
後半になると中盤のデュエルで勝るようになってきたナポリが徐々にペースを握っていく。オシムヘンがワンタッチでの落としの精度がより高ければナポリの前進はより上手く行ったはず。右サイド裏に抜ける動きは効いていたが、手前サイドの動きはややぎこちなさが目立った。
即時奪回がことごとくファウルになったのもナポリにとっては誤算だろう。ショートカウンターのリズムを作れなかったのは痛く、リバプールが落ち着く機会を与えてしまった。
リバプールはヌニェスを左サイドに投入するなど、パワーをましてくる采配を行なっていたが、なかなかペースを握ることはできず。試合は終盤までジリジリとした展開が続いていく。
そんな中で決着をつけたのはセットプレー。CKからファン・ダイクが競り勝ったところをサラーが押し込んで、リバプールがついに先制する。後半追加タイムにはまたしてもファン・ダイクきっかけでヌニェスが押し込んでさらにリードを奪う。VARでなんとか認められたヌニェスのゴールは、VARで取り消されたナポリのエスティゴーアのゴールとはどこか対照的だった。
それでもナポリは2点差ならば首位キープである。公式戦13連勝が止まったのは残念ではあるが、敗れながらもアンフィールドで強さは見せた。充実のグループステージと言って差し支えないだろう。
試合結果
2022.11.1
UEFAチャンピオンズリーグ
Group A 第6節
リバプール 2-0 ナポリ
アンフィールド
【得点者】
LIV:85′ サラー, 90+8′ ヌニェス
主審:トビアス・スチュイラー