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「支配と脅威の持続性」~2022.8.13 プレミアリーグ 第2節 アーセナル×レスター プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第2節
2022.8.13
アーセナル(2位/1勝0分0敗/勝ち点3/得点2 失点0)
×
レスター(11位/0勝1分0敗/勝ち点1/得点2 失点2)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 直近10試合の対戦でアーセナルの5勝、レスターの4勝、引き分けが1つ。

アーセナルホームでの対戦

 直近10試合の対戦はアーセナルの8勝、レスターの1勝、引き分けが1つ。

Head-to-head from BBC sport

・アーセナルは勝てば1999-2000年に記録(4連勝)したプレミアにおいてのレスター戦連勝記録に並ぶ。
・レスターは直近25回のアーセナルホームでのリーグ戦で1勝のみ。ジェイミー・ヴァーディが決めた1点を守り切った2020年10月(D4,L20)

スカッド情報

【Arsenal】

・エミール・スミス・ロウ、冨安健洋、ファビオ・ヴィエイラはフルフィットネスに戻った。

【Leicester】

・新しい怪我人は不在。
・アキレス腱の負傷をしたリカルド・ペレイラは半年の離脱、ハーヴィー・バーンズとライアン・バートランドは引き続き膝の負傷で欠場。

Match facts from BBC sport

【Arsenal】

・開幕戦はパレスに2-0の勝利。開幕2試合を共にクリーンシートで勝利したのは1971-72が最後。
・直近8試合のホームでのリーグ戦でのクリーンシートは1つ。3月のレスター戦。
・ホームでの開幕戦は直近11年で6敗(W4,D1)
・しかし、2021-22におけるホームでの41ポイントはリーグ3位。トップ3とブライトンしかエミレーツでの勝利はない。
・ガブリエル・ジェズスは7試合のリーグにおけるレスター戦で5得点を挙げており、その試合を全て勝利に持ち込んでいる。
・ガブリエル・マルティネッリは初のリーグ戦3試合連続得点のチャンス。

【Leicester】

・直近26試合のアウェイでのリーグ戦でのクリーンシートは2022年3月の2-0で勝利したバーンリー戦が唯一。
・開幕戦は2点差をブレントフォードに追いつかれた。昨季はリードから23ポイント落としており、これより悪いのはサウサンプトン(32)とニューカッスル(24)だけ。
・ジェイミー・ヴァーディは14試合のアーセナル戦で11得点。これより多いのはハリー・ケイン(13)とウェイン・ルーニー(12)のみ。
・ヴァーディは30代になってから99得点をリーグ戦で挙げている。
・ジェームズ・マディソンは直近5試合のリーグ戦で8得点に関与している(4G4A)

予想スタメン

展望

■個性の掛け合わせはできてはいるが

 今季ここまでの移籍市場において、非常に多くの移籍金を使っているアーセナル。それとは対照的にスカッドの整備が進んでいないのが今節の対戦相手であるレスターである。

 アーセナルからしてもティーレマンスが絡む部分もあるので、あまり突っ込みすぎるのも野暮ではあるが、財政難から売却ができるまではなかなか獲得オペレーションに動くことができないという状況。

 シュマイケルの移籍、ルックマンの退団、そしてリカルド・ペレイラの長期離脱など既存戦力の維持も難しい状況で、開幕から負傷者が続出した昨シーズンと同じく厳しいシーズンが予想されるだろう。

 ブレントフォード戦で採用したのは3-5-2という少し昨年とはテイストが違う形。基本的にはビルドアップは3-5-2の配置からそこまで大きな動きを見せない。

    GKのビルドアップ関与も控えめで後方は3バックを基調に行う。変化をつけるの上下動を行う両IHのティーレマンスとデューズバリー=ホールの2人くらいである。インサイドからスペースを作るのが難しい試合においては、WBを軸に外回りでのボール循環をおこなっていく。

 アタッキングサードにおける仕上げはざっくり分けて2通り。ヴァーディやダカなどのスピードがあるFWを利用した抜け出しからの決定機創出が1つのパターン。

 もしくはそうしたFWが作り出した奥行きによって生まれる相手チームのDF-MF間のスペースをマディソン、ティーレマンス、デューズバリー=ホールなどが入り込んで、ミドルで撃ち抜くパターン。ブレントフォードは簡単にラインを下げるチームだったことがあり、開幕戦においてはこちらの形が多用されたと言えるだろう。

 いずれにしてもFWの最終ラインとの駆け引きは必須。ヴァーディには今年も単純なゴール数だけではない戦術の核のような役割が求められることになるだろう。

 非保持においてはそこまで積極的なプレッシングはなく、迎え撃つ傾向が強かった。ブレントフォード戦は単純にリードしている時間が長かったこともあるためそうした影響も否定できないが、高い位置からのプレスを主体とする戦い方をしよう!というスタンスは開幕節からはあまり読み取ることができなかった。

 撤退守備においてはブレントフォードに対してズルズル下がる形での失点を喫していることもあり、正直心もとない部分がある。ストッパーとして優秀だったシュマイケルの退団も不安要素と言えるだろう。

 全体的に既存戦力を活かそうという戦い方には見える。だが、昨年以上の上積みがなかなか見えづらいだったことやスカッドの構築の遅れなど、ファンの中では先行きの不安を覚える人がいても不思議ではない。

■SBの舵取りが鍵を握る

 開幕戦で見られたレスターの弱みの中ではバックラインのプレス耐性の低さが最も気になるところと言えるだろう。ブレントフォード戦で2点のリードを失ってしまった要因の1つは、プレスを強化した相手に対してレスターがうまく対応できなかったから。個々のスキルもやや心もとなく、配置の変化もなかなかない状況では試合を落ち着ける術がなかった。

 アーセナルとしては当然前からのプレスをおこなっていきたいところだが、噛み合わせは微妙なところがある。3バックの相手であればジェズス、マルティネッリ、サカの3枚が嵌める形がシンプルではあるが、対人要素で不安をのぞかせた左サイドの強度的にはアーセナルもリスクがある。

 開幕戦ではカスターニュが右サイドを抉る形からチャンスを創出をしたこともあり、同サイドの後方をプロテクトしたままどこまでプレスに行けるかはアーセナルにとってはチャレンジ項目になると言えるだろう。逆にCBとレスターのアタッカー陣の対峙はシンプルに楽しみ。開幕戦で存在感を見せたガブリエウとサリバのコンビがアーセナルキラーとして名高いヴァーディを相手にどのようなパフォーマンスを見せるかどうかである。

 開幕戦のレスターのパフォーマンスを見る限り、ボール保持においてはSBは時間を与えてくれそう。ジンチェンコ、ホワイトの両SBには保持での存在感発揮に期待がかかる。特に彼らがインサイドの選手たちを引き出せるかどうかはポイントになる。中央でジェズスやウーデゴールが受けるスペースを作れるかどうかはSBにかかっている。

 相手を動かすという部分ではおそらくジンチェンコは問題ないだろう。外が空きやすく、そこに相手を誘き寄せなくては行けないという注意点はあるが、そこはシティで死ぬほど経験してきた部分だろう。インサイド専門家というわけでもないし不安は少ない。開幕戦の立ち上がりから見せた旋回は相手を動かすというところでは有効であるはず。

 気になるのはホワイトの方。相手を動かすところもできる部分ではあるが、ドリブルでの持ち運びにおいてはややリスキーな選択をする傾向があるのは改善要素。フィードの活かし方も含めてビルドアップに彼の足元をより積極的に活用したいところ。

 時間をもらえるSBはサイド攻撃においての起点としての機能も期待されるのは確か。中盤での引き出し、サイド攻略のきっかけなどいずれにしてもSBがルートをこじ開けることでこの試合のルートは決まると言っていいだろう。

 アーセナルのチームとしての課題としては支配の時間を長引かせること、もしくはゴールの脅威を突きつけ続けること。パレス戦はスコアでは完勝ではあったが、流れを手放してしまい相手ゴールを脅かすことができていない時間があまりにも長かった。前節と比較してベンチが充実することが予想される今節は交代選手を含めて戦い方の幅を見せて、より試合を支配するメソッドを披露したいところである。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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