不運を幸運で打ち消す
軽い守備のミスから生み出される悪い流れから抜け出せないシェフィールド・ユナイテッド。今節は昇格組としては1年先輩のフラムのホームでの勝ち点奪取に挑む。
試合はフラムの保持を中心に展開。IHよりも高い位置で攻撃を止めたいブレイズに対して、フラムはプレスに出てくるギャップを利用しての前進で主導権を握る。IHの背後のハーフスペースにパスを入れたり、あるいは大外を経由してハーフスペースの裏抜けをしたりなど。ワイドのCBであるバシャムの前後を使って揺さぶっていく。
フラムは今季はやや寂しい出来だったウィリアンがこの試合では好調。クイックネスで相手をおいて行ったり、周りを冷静に使ったりなど、去年のいい時を彷彿とされるプレーでチームを牽引する。ヴィニシウスも深さのあるポストでブレイズを縦方向にコンパクトに守らせない。
右サイドはイウォビが実質ハリソン・リードの役割をトレースする形で陣形をキープしたが、連携面がイマイチ。イウォビがボビー・リードの動きをあまり掴めていたように思えず、ボビー・リード自身も決定機をものにできないなど、やや湿りがちな展開になる。
ブレイズはそれ以上に苦戦。敗れたニューカッスル戦、ウェストハム戦では序盤は横断しながらいいボール保持を見せたのだが、そうした横断は少なく、フラムの同サイド圧縮に苦しめられる展開となった。
そうした中でバシャムの大怪我が発生。試合のテンションはこのプレーをきっかけにややトーンダウンし、単発のカウンター以外はどこか上の空といったプレーが続くようになる。前半ATに輪郭を取り戻しかけて、ハーフタイムを迎える。
後半は前半よりも直線的な展開に。前半はほぼチャンスがなかったブレイズも敵陣の侵入の機会がもらえるように。奮闘していたのはアーチャー。ドリブルでマクバーニーに決定機を作ったり、ファウルでセットプレーの機会を得たりなど一人気を吐くパフォーマンスを見せていた。
しかし、先手を取ったのはフラム。自陣のパリーニャからスタートした見事なカウンターはペレイラのラストパスを受けたボビー・リードが完結。前半の鬱憤を晴らすようなゴールでフラムが前に出る。
だが、フラムは不運に見舞われてしまい失点。ディオプの負傷に絡んだピンチをクリアしきれずロビンソンがオウンゴールを記録。試合は再びタイスコアに。
フラムの決勝点はこの同点ゴールの不運を打ち消すようなもの。軸足を滑らせたケアニーが放ったミドルはやや虚をつく浮き玉の軌道を描いてクロスバーにあたり、フォデリンガムの背中に当たってゴールイン。どこまで狙ったかはわからないが、この幸運なゴールでフラムは終盤にリードを奪う。
この失点で意気消沈してしまったブレイズ。頼みのセットプレーで不発が続くと、最後は好調のウィリアンがカウンターから追加点をゲット。直近に比べれば均衡したスコアを維持できたブレイズだったが、この試合でも勝ち点は取れず、テーブルの一番下で中断期間を迎えることとなった。
ひとこと
バシャムの早い回復をただただ祈ります。
試合結果
2023.10.7
プレミアリーグ 第8節
フラム 3-1 シェフィールド・ユナイテッド
クレイヴン・コテージ
【得点者】
FUL:53′ ボビー・リード, 76′ フォデリンガム(OG), 90+2′ ウィリアン
SHU:68′ ロビンソン(OG)
主審:サム・バロット