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「Catch up Premier League」~2023.10.8 プレミアリーグ 第8節 ウォルバーハンプトン×アストンビラ ハイライト

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サイドに狙いを絞ったウルブスが健闘を見せる

 ウォルバーハンプトンは5バック。ビラは5バックのような陣容と見せかけてキャッシュがSHになるというたまに見かける4バック。どちらのチームも布陣としてはやや後ろに重めのフォーメーションを敷いてきた。

 バックラインへのプレッシングはお互いに緩め。CBがボールを落ち着いて持てる展開となる。やや優勢だったのはアストンビラだろうか。ナローに守るウルブスの3トップの外側からボールをキャリーし、大外から相手を押し下げていく。ボールを失った後は即時奪回。押し込み続ける圧力は十分なものではあった。

 しかしながら、ウルブス視点から見ると押し込まれているとはいえ、このプランの妥当性は一定あったようにも見えた。今季のアストンビラの持ち味はワトキンスのキープ力やディアビのスピーディな運びから生み出される縦の推進力にある。5-4-1でまずは中央を締め出すというプランはこのビラの持ち味を消すという意味ではそれなりに意義はあったと言えるだろう。

 ウルブスもまた保持に回ると2トップに対しての3バックの数的優位を活かしながらキャリーする。攻撃の中心になったのは右サイド。好調のネトを軸に攻撃を組み立てていく。ビラは守備的なSHを組んだということもあり、マッギンがリトリートしながらここを埋めにいく。こちらもまたサイドに守備的な用兵を行った意義が見えたと言えるだろう。

 それでもウルブスは30分付近からサイドの裏を使いながら押し下げに成功する。それまでは主導権を握られていたため、前半を総括するのであれば互角なのだろうが、普通にぶつかればビラが優勢だったことを踏まえると、勝負のポイントをサイドに絞ることで互角まで引き戻したウルブスのプランが効いていた前半だった。

 後半の頭はややバタバタなスタート。両チームとも前半よりもやや縦に早いオープンな展開となった。そうした中で先手をとったのはウルブス。右サイドのネトの仕掛けからパウ・トーレスをぶっちぎると、絶好調のヒチャンがゴールを決める。直前の負傷の治療で鼻に詰めていたティッシュを放り投げてのゴールパフォーマンスだった。

 しかし、やられっぱなしではないのが今のビラ。セットプレーからネトにしてやられたトーレスがリベンジに成功。2分も立たずにアストンビラは試合を振り出しに戻す。

 1点ずつを取り合ったことで試合の展開はフラットに。ブロックの打開はやや停滞感がある両者だったが、後半も元気なネトと彼を囮とした裏抜けを仕掛けるセメドが存在感を放つウルブスの右サイドが印象的なパフォーマンスを見せていた。ネトとヒチャンは有効打を打てる時間帯が明らかに伸びており、コンディションの良さを伺える。

 苦しむビラだったが、後半追加タイムに再びチャンスを得る。ワトキンスの決定機から流れをつかむと、レミナの退場で残りの時間はビラの攻め一色に。ザニオーロに加えて、ラストプレーでは再びワトキンスが決定機を得るがいずれもネットをゆらせず。ビラは試合を決めきれずドローでの決着となった。

ひとこと

 ワトキンスの決定力がアキレス腱になるのは結構珍しい。

試合結果

2023.10.8
プレミアリーグ 第8節
ウォルバーハンプトン 1-1 アストンビラ
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:53′ ヒチャン
AVL:55′ トーレス
主審:ロベルト・ジョーンズ

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