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「ノックアウトラウンドでの起用に名乗りを上げたのは?」~2024.1.24 アジアカップ2023 グループD 第3節 日本×インドネシア レビュー

目次

人についていく守備にギャップを作り出したのは?

 インドネシアの非保持のスタンスは5-4-1。そして、日本のフォーメーションは明確に4-3-3というわかりやすい座組での盤面となった。

 日本の組み立ては基本的には2CBとアンカーの3枚。インドネシアは1トップが中盤の位置をプレスの開始位置にしており、2列目はナローなポジションをとってインサイドを閉める形を使う。というわけで日本はサイドにボールをつけることで薄いところから攻めていく。手始めにまずはポケットに侵入して奥を使うというフェーズに入ったところで日本は上田がPKを獲得。あっさりと先制に成功する。

 インドネシアはバックラインが低い位置をとるが、展開としては大きいものを好む。特に左サイドに飛ばすことで大外から縦に抜けていく形を意図することが多かった。この辺りは過去2戦を見て日本の右サイドが狙い目だと踏んだのかもしれない。日本が比較的深い位置まで追い回していたので、インドネシアがサイドまで届けるまでの精度は悪いが、深い位置まで侵入できればそれなりに突破の可能性も感じないわけではなかった。

 非保持においては4-3-3らしい日本のサイドのローテに対して必死でついていくスタンスで潰していく。上田へのファウルでのPK献上もある意味これを徹底した結果とも言えるわけで、そういう意味では立ち上がりからこの意識を忠実に遂行しているとも取れる。

 というわけで日本はズレを作りながら前進をする必要がある。そのためには少ないタッチでの中央でのパスワーク。この点では上田のポストが効いていた。

 ボールを引き出すポジショニングで効いていたのは旗手。インドネシアの右のSHのフィクリの背後を取るように立ち、日本のSBとWGの間を接続。外に相手を連れたと思ったらインサイドに入り込むなど縦パスを引き出すための工夫がなされていた。

 個人で言えばもう一人名前を挙げておきたいのは毎熊。なんといっても34分のドリブルからのエリア内侵入は見事。久保とつながり、中村に折り返す形は前半でも屈指の崩しと言っていいだろう。菅原がなかなか苦戦している大会において右のSBの先発争いに名乗りを上げた前半だった。

 後半の頭もインドネシアが気持ち2列目のプレスを強めての立ち上がり。特に日本の左サイドには厳しくプレッシャーをかけながらボールを奪い取ろうとする。

 しかしながら、日本はこの高いラインをひっくり返すように追加点をゲット。左サイドを中村と堂安でひっくり返してファーに流れたところを上田。手早いカウンターを完結させて後半早々にリードを広げる。このように日本は後半は縦に速い攻撃でのチャンスがちらほら見られるようになる。

 困ったインドネシアはロングボールを採用。CBのバゴットを前線に据えるパワープレーで味変をしてくる。しかし、味変でゴールを手にしたのは日本。右サイドに入った伊東純也が千両役者ぶりを発揮。サイドを抜け出すと一発で上田のシュートをお膳立て。これがオウンゴールに繋がり日本は3点目を手にする。ちなみにバゴット対策として投入された渡辺もまたスポット的に存在感を発揮した選手と言えるだろう。

 インドネシアは終始続けていた左サイドからのロングスローが終了間際に結実。南野がクリアしきれなかったボールがファーに流れてしまい、これをウォルシュが叩き込む。ニアを閉じきれなかった鈴木にとっては最後に課題が残る結果となった。

 勝利した日本は2位通過が確定。中6日でベスト16の試合に挑むことになった。

ひとこと

 相手のレベルの話はあるが、旗手や中山がビルドアップで切れ目を意識してボールを受けたところ。ハイプレスを問題なく運用できたところ。上田が別格感を見せたところなど、決勝トーナメントでのポイントになりそうな点がちらほら見られた試合だった。この3人と毎熊はノックアウトラウンドでの起用が増えても不思議ではない。

試合結果

2024.1.24
アジアカップ2023
グループD 第3節
日本 3-1 インドネシア
アフマド・ビン・アリ・スタジアム
【得点者】
JPN:6′(PK) 52′ 上田綺世, 88′ ウブネル(OG)
IDN:90+1′ ウォルシュ
主審:ハミス・アルマッリ

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