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「Catch up U-23日本代表」~2022.6.12-6.18 AFC U-23アジアカップ ノックアウトラウンド ハイライト

グループステージはこっち!

目次

準々決勝 韓国戦

■2人の鈴木の活躍でベスト4へ

 どちらもビルドアップは狙いを持ちながらボールを動かしていた。非保持においては4-2-3-1のような形がメインの韓国は保持では4-3-3を採用。アンカーのヒョンソクがサリーをすることで日本の2トップのプレスを回避していく。

 日本はSBを片上げするアシメの形。右サイドはSBの半田が最終ラインに入り、大外には藤尾。逆サイドのSBである加藤は大外で幅を取りながらのオーバーラップが多かった。

 どちらもショートパス志向が強い中で、より効果的に前進が出来たのは日本の方である。理由はアタッキングサードにおけるボール運びが日本の方が優れていたからである。

 左のHSに陣取る細谷は縦パスが入ると強引にゴールの方に向かっていく推進力で勝負。逆に右に流れることが多かった鈴木唯はライン間で反転して前を向く状態を作ってから勝負という形。日本はこの2人にボールを届けることができれば大きなチャンスを迎えることができる。

 押し込む機会が多かった日本に先制点という花を添えたのは鈴木唯人。直接FKを決めて均衡を破って見せる。テンポは比較的ゆっくりな日本はアタッキングサードの優位をうまく先制点に結びつけることが出来た。

 後半、韓国はライン間への縦パスを増やす。イ・ガンインなどドリブラーにMF-DF間で受けさせる形を作り、ドリブルの持ち上がりから逆襲を狙う。日本は藤田と山本がCHに入っていたが、やや間を埋められない回数が増えた後半は今大会で見せた防波堤ぶりを見せることが出来なかった。

 韓国は左のキュファンも好調。中央の縦パスからドリブルでの進撃と左サイドのクロスを噛み合わせながら日本のゴールに向かっていく。

 劣勢の日本を救ったのは2人の鈴木。攻撃は唯人。劣勢の中からアタッキングサードでの強引な剥がしから細谷のゴールを実質的にアシストすると、その15分後にはカットインの勢いそのまま振りぬくスーパーシュートを披露。先制点を含めた全得点に絡む活躍で韓国を引き離す。

 守備では彩艶。少なくなかった守備機会だったが、がっちりとしたキャッチで韓国の攻撃を寸断。流れを相手に渡さなかった。

 2人の鈴木を主役として反撃の機運を見せた韓国をシャットアウトした日本。宿敵の韓国を下してベスト4に駒を進めた。

試合結果
2022.6.12
AFC U-23アジアカップ
準々決勝
U-23日本代表 3-0 U-23韓国代表
パフタコール・マルカジイ・スタジアム
【得点者】
JPN:22‘ 80‘ 鈴木唯人, 65’ 細谷真大
主審:ハンナ・ハットタブ

準決勝 ウズベキスタン戦

■攻撃の再構築に成功したウズベキスタン

 準々決勝で永遠のライバルである韓国に対して完勝して見せた日本。準決勝の相手は開催国であるウズベキスタンである。

 ウズベキスタンの入りは比較的慎重だったといえるだろう。4-3-3のフォーメーションのプレスの積極性はWGとIHが決める側面が多いけど、この試合はその2列目が無理にCBにプレスをかけることをしなかった。

 ウズベキスタンのWGの優先事項は日本のSBに縦からかぶせるように蓋をすること、そしてウズベキスタンのIHの優先事項は日本のCHについていくこと。前からプレッシャーをかけていくことは後回しになりやすかった。

 ウズベキスタンは積極的ではないがソリッドなプレスを敷いていたといっていいだろう。日本の前進の頼みの綱である鈴木唯人もアンカーのボリエフがばっちりケアしていた。

 ライン間に入り込むスキは簡単には産まれそうな日本。ということで使ったのは長いボール。バックラインの配球力を生かし、右の大外のWGである藤尾や、トップの細谷にダイレクトにボールを供給していく。ライン間の鈴木を潰されてしまった次善の策としてはこれ!という感じなのだろう。

 一方のウズベキスタンも保持においてはなかなか思い通りにいかなかった。日本の非保持における弱点はCHがプレスに前向きで行動範囲が広い分、背後が空きやすくCBがラインを押し上げきれずにMF-DF間のスペースが空いてしまうことである。

2分のように防波堤になっている日本のCHの背後にパスを刺すことができればチャンスになるのだが、そうした場面はなかなか生まれず。持ち味を潰されてしまった日本と同じくウズベキスタンも攻めあぐねる形となった。

 迎えた後半、日本は前半よりも積極的に列落ちを使いながら前進を狙う。対するウズベキスタンは逆にロングボールを駆使しながらライン間にボールを落とすようなアプローチを採用してくる。

 共に攻撃ルートの再構築を狙った後半となったが、結果に結びついたのはウズベキスタン。カウンターから空きやすい日本のバイタルを強襲し、豪快なミドルシュートを放ってみせた。

 巻き返したい日本だが、コンパクトなウズベキスタンの守備ブロックに苦戦。なかなか前に進むことができない。そうした中でオーバーラップした加藤がボールをロスト。ひっくり返されてしまいウズベキスタンに決定的な追加点が入る。日本としてはまたも空いているDF-MFのスペースを突かれる格好。チェイス・アンリは出ていくなら潰し切りたかったところだろう。

 日本は終盤に2失点しての力負け。攻撃の再構築に成功したウズベキスタンが決勝進出を決めた。

試合結果
2022.6.15
AFC U-23アジアカップ
準決勝
U-23日本代表 0-2 U-23ウズベキスタン代表
ブニョドコル・スタジアム
【得点者】
UZB:60‘ ジャロリディノフ, 89’ ノルシャエフ
主審:アーメド・アリ・カフ

3位決定戦 オーストラリア戦

■オーストラリアの悪癖に漬け込む完勝

 立ち上がりから優勢だったのは日本。ハイラインでのハイプレスを行うことでオーストラリアのバックラインから時間を奪っていく。フォーメーション的には4-3-3っぽいかな?と思った日本だったが、守備時は完全に松木が2トップに入る4-4-2。両CBだけでなくGKにまでプレッシャーをかけていく。

 オーストラリアは中央にトップ下のナジャリンとトップのイェンギの2人が列を降りながらパスを受けようとするが、日本の後方の選手は献身的に押し上げを実施。縦にギャップを作ろうとするオーストラリアの選手に自由を与えない。

 日本はオーストラリアのバックラインからボールを引っ掛ける場面もちらほら。時間を奪った効果は確実に見られていた。

 それに比べるとオーストラリアは前線からのプレッシャーは希薄。ボールホルダーを捕まえる意識が薄く、ラインを下げさせられてしまう場面がかなり目立った。

 オーストラリアはラインを下げられてしまうときに、MF陣が陣地を下げてポジションを取り直す意識が低いせいで、ライン間の管理が非常にルーズに。日本の先制点はこれを生かした形のものだった。左サイドからのボール運びからPA内に侵入し最後に得点を決めたのは佐藤だった。

 早々の先制点でリードを奪ったのは日本。立ち上がりはきつめのプレスを行っていたのだけど、先制したことでプレスの強度は弱められていた。2トップはアンカーを受け渡しながらプレスラインを下げる形で日本はオーストラリアの攻撃を受けることに。しかしながら、敵陣に入り込む縦パスを日本のMFのシビアな押し上げが封じる。ボールを刺しても跳ね返される状況で、厳しい戦いを強いられたオーストラリア。

 すると、日本は追加点。セットプレーからオウンゴールを生み出し日本はさらにオーストラリアを突き放す。

 前半終了間際はオーストラリアがボールを持ちながら時間を使う場面が多かったが、後半は再び日本がボールを握る流れに。

 一方のオーストラリアはハーフタイムに投入されたプピオンとミラーを右サイドから反撃に打って出る。サイドの対応はやや後手に回り、手薄になる場面もなくはなかった。

 日本の3点目はサイドから。相手のバックラインから外れたところでボールを受けた半田から持ち運び、抜け出す松木にパス。ラストパスを投入されたての藤尾が決めて試合を行方を決定的なものにする。

 藤田と鈴木唯人の投入で勢いをさらに強める画策をした日本だが、これは試合全体を活性化される流れに。終盤の試合自体はやや落ち着かない流れになってしまった。

 だが、最後まで体を張り続けた日本の守備陣がオーストラリアをシャットアウト。最後は完勝で飾り、日本のアジアカップは3位で幕を閉じることになった。

試合結果
2022.6.18
AFC U-23アジアカップ
3位決定戦
U-23日本代表 3-0 U-23オーストラリア代表
パフタコール・マルカジイ・スタジアム
【得点者】
JPN:7′ 佐藤恵允, 39′ カイ・トレウィン(OG), 63′ 藤尾翔太
主審:キム・ヒゴン

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