3連敗と3戦無敗、対照的な両チーム
開幕から連敗スタートとなってしまったセビージャ。ホームでの今季2試合目は1勝1分とここまでを無敗で乗り切っているジローナである。
セビージャはメンバーをマイナーチェンジ。2列目はWG色を減らし、オカンポスとオリベルが高い相互性でポジションを入れ替えつつ、後方からペトロサやラキティッチが支援する形で左サイドのユニットを再構築するスタンスが目立つ。
ボール保持において特徴があるのはジローナも同じ。左のSBであるミゲルがインサイドに絞る形で左サイドは可変する。中盤は彼に任せながら中盤は高い位置を取ることもあった。
セビージャの守備は後方3枚+インサイドにSBが絞るというジローナの変化に対してやや混乱気味。2トップに配置される2人の守備基準が定まらず、中盤でフリーマンを作られてはボールを前に運ばれるシーンが目立つことに。サイドにおいても最終的にはバックラインのバテが大外に流れる形でカバーに入るなど、アラベス戦で見られた守備の混乱はジローナの保持を前にさらに目立った感があった。
先制点はジローナ。セットプレーからあっさりと叩き込みセビージャに対して先手を取る。
この先制点以降、試合はオープンな形で流れていく。ジローナはサヴィーニョのドリブルからセビージャの中盤を切り裂きつつチャンスメイクする。
セビージャは構造よりもミクロなコンビネーションを使いつつ、打開を図る。狙い目となったのは先にも紹介した左サイドのユニット。左サイドのペドロサのカットインからのレーン移動や、スソのタメから外をナバスが追い越す形など2~3人のユニットからチャンスを作っていく。
前半終了間際にセットプレーからセビージャは同点に。このグデリのゴールをきっかけにハーフタイムまでは押し込み続ける展開が続くことになる。
後半も試合はオープンな展開でスタート。積極的にプレスをかけるセビージャに対して、ジローナが縦に早いボールを刺していくことで試合はオープンになっていく。
ジローナは広げながらのポゼッションで徐々に試合を落ち着かせていくと、早々に勝ち越しゴールをゲット。サヴィーニョの横断+右の外からのツィガンコフを組み合わせて、最後はガルシアが仕留めて勝ち越しに成功する。
セビージャはショートコーナー起点で角度のないところからラキティッチがゴールを沈めたかに見えたが、これはオフサイド。同点に追いつく機会を取り消されてしまうことに。
以降も直接FKが壁に当たり続けるなどセットプレーからのチャンスを生かし切れないセビージャ。CKからの流れのバデの決定機も後半の中で最も大きなチャンスの一つだったが、枠をとらえることはできない。
ジローナもサヴィーニョが試合を決定づけるカウンターを仕留めることができなかったが、なんとか逃げ切りに成功。セビージャは開幕3連敗という苦しい内容でのスタートとなってしまった。
ひとこと
セビージャにも勝つチャンスがある試合だったとは思うが、要所で先に点を取ったジローナの方が試合運びの巧みさは目立ったといえるだろう。
試合結果
2023.8.26
ラ・リーガ 第3節
セビージャ 1-2 ジローナ
エスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスファン
【得点者】
SEV:45+2′ グデリ
VAL:16′ エレーラ, 56′ ガルシア
主審:ヘスス・ヒル・マンサーノ