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「Catch up UEFA Champions League」~2023.9.19 UEFAチャンピオンズリーグ グループF 第1節 パリ・サンジェルマン×ドルトムント~

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組んでよし、押し込んでよし、引いてよし

 CLの中でも屈指の死の組となったグループF。その中でも本命と目されるパリはドルトムントをホームに迎えての一戦からグループステージをスタートする。

 立ち上がりは割とボールが行き交う展開だった。ドルトムントはボールを奪うと、2トップやIHがサイドの裏に素早く抜け出して長いボールを引き出していく。一方のパリもルイス・エンリケのゆったりとしたオーソドックスな4-3-3と見せかけて、ムバッペが一気に裏を取る形で爆走するなど自分の先入観をぶち破るプレーから入ってくる。そういえば、MSNの時も前線の個性に全乗っかりするタイプの人だったというのを思い出したのはその時である。

 試合は徐々にパリが一方的に押し込む展開になっていく。こうなるとムバッペやデンベレがスピードで一気に攻略しきることは難しくはなる。展開が変わるとWGに代わって目立つのはMFだ。ザイール・エメリとヴィチーニャの両IHは右サイドを中心にボールサイドにスライドし、ハキミとデンベレとの連携からドルトムントを攻略していく。

 間に立ちつつ、ドルトムントのDFラインの横のチェーンを切るようなポジショニングから、フリーの選手を作って侵入に成功。あわやという場面を作り始めていく。

 つまり、パリは二段構え。組み合っている間は前線のスピードを生かした殴り合い、押し込む流れになればIHの移動からサイドを壊し切るという異なる顔を使い分けるチームだった。一度押し込んでしまえば、ハイラインを支えるようにウガルテ、シュクリニアル、マルキーニョスが無限回収をする形でドルトムントに反撃の隙を与えない。序盤に見られたドルトムントのサイドの裏抜けもリュカが攻め上がりを自重することで制圧に成功していた。

 後半もペースを握ったのはパリ。右サイドのハキミとデンベレのワンツーでドルトムントの3人を置いていくことに成功すると、サイドを抉ってハンドからPKを獲得。これをムバッペが沈めて先手を奪う。

 さらにパリの攻勢は続く。右サイドからヴィチーニャのエスコートを受けたハキミがエリア内に侵入するとあっさりとゴールを陥れてリードを広げる。

 ドルトムントは後半開始早々に早い段階での迎撃を意識するゲームプランから主導権を取り返す狙いを見せたが、15分も経たないうちに2失点。2-0にされた後は攻める機会を確保することができるが、広げるアクションが少ない分、やや中央のゴリ押しが目立つ。そうなるとパリのトライアングルを軸とした強固な中央ブロックを攻め落とすことは難しい。

 むしろ終盤はのびのびとカウンターを打つムバッペが主役となる展開に。組み合っても、押し込んでも、引いても強かったパリ。順調な仕上がりで死の組でも一歩抜け出した存在であることをアピールした。

ひとこと

 局面を選ばずに制圧が可能なパリの強さを感じる90分だった。

試合結果

2023.9.19
UEFAチャンピオンズリーグ
Group F 第1節
パリ・サンジェルマン 2-0 ドルトムント
パルク・デ・フランス
【得点者】
PSG:49‘(PK) ムバッペ, 58’ ハキミ
主審:ヘスス・ヒル・マンサーノ

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