中盤のマンツー外しの試行錯誤
死の組グループF。開幕節で唯一敗戦してしまったドルトムントとしてはここは意地でも3ポイントを積み上げたいところだろう。
そんなドルトムントの守備はCFのフュルクルクが片側サイドからミランのCBにプレッシャーをかける。誘導から狭いスペースにミランのポゼッションを追い込んでいくのが狙いだろう。
一方のミランの守備も大枠は同じ。トップのジルーが2人のドルトムントのCBを監視し、中盤はマンマークでついていく。こうなると試合は睨み合いの様相が大きくなる。
次に求められるのはボール保持側のアクションである。ミランはポストからの追い越しを使いながらマンツーを外していくスタイル。立ち上がりにチャンスを迎えたポベガはジルーが作ったスペースを生かして前線に飛び出す形から相手の陣形にズレを作っていた。
この部分で主役になっていたのはテオだろう。ポストからのオフザボールの動きはもちろんのこと、インサイドへのドリブルから正対の状況を動かしてズレを作ることもしばしば。同サイドのレオンとともに、左サイドでドルトムントの守備にギャップを作り続けていた。
ドルトムントはGKのビルドアップの組み込みとポゼッションのやり直しを挟みながらズレを作っていく。フンメルスの持ち運びを起点に、縦パスをつけつつサイドにボールを逃すと、ここからの三角形のパスワークからエリアに迫っていく。
だが両チームともエリアに入っていく動きに関しては守備側の対応を上回ることができず。ボールを前に運ぶ手段はあったが、エリア内で勝負できる武器は少し決め手に欠けている印象だった。
ボールを前に運ぶ武器の精度としてはミランの方がやや上な感じ。左サイドの縦関係は後半も好調。これにポベガの動き出しを掛け合わせるアレンジも含めて、同じ攻め手で後半も勝負に出る。
ドルトムントは選手交代から味の変化を狙う。バイノー=ギッテンス、そしてアデイェミといった個人でズレを作れるアタッカーを交代で入れることで、単純に優位なマッチアップ作りを狙っていく。ヌメチャも込みで交代で入った3人の2列目でドルトムントは前半よりも手応えのある形でゴールに迫っていく。
しかしながら、両チームとも決め手にかけるのは前半と同じ。ミランは終盤に右サイドで勝負できるチュクウェゼを入れるが、これを試合を動かす決定打にはならず。ミランは開幕2戦連続のスコアレスドローを記録することとなった。
ひとこと
CL相応の耐久力をそもそも持っているゆえな感じもしないこともないが、ちょっとボックス内で勝負できるポイントの乏しさは感じてしまった。
試合結果
2023.10.4
UEFAチャンピオンズリーグ
Group F 第2節
ドルトムント 0-0 ミラン
BVBシュタディオン・ドルトムント
主審:シモン・マルチニャク