リズムの良さについてこない勝ち点
前節、アウェイのガラタサライの地で大健闘を見せたコペンハーゲン。今節はホームでバイエルンに挑戦状を叩きつける一戦だ。
前節見せたようなパスワークを行いながらバイエルンと互角に渡り合う立ち上がりのコペンハーゲン。ロングボールに逃げることはせずに、ショートパスでポゼッションの時間を確保しようとトライをする。クラエソンを囮に背後をエルユヌシでつく形などアクセントをつけつつ、ボール保持から解決策を見つけていく。
試合は徐々にバイエルンの保持の時間帯が増えていく。コペンハーゲンのリトリートは非常によく組織されていたように思う。トップのクラエソンはキミッヒを徹底マーク。前に圧力を強めるときはエルユヌシとアシュリのWG陣がプレスにいく。
コペンハーゲンが守備時に前に行くかリトリートかはこのWGの2人が決定している感があった。コペンハーゲンのWGは自らの背後を取らせない駆け引きが非常に巧かった。このあたりのリトリートの巧みさはグアルディオラのバルセロナと対峙した時のDNAを感じるものだった。WGでの単体勝負も効かずにコペンハーゲンの守備隊に封じられた。
バイエルンは左右に揺さぶる形と同サイドを打ち破る形を半々でトライ。後者の主役は紛れもなくムシアラであり、加速から同サイドを縦に破っていた。ドリブルで横断も誘発するなど、キミッヒが封じられたバイエルンの攻撃陣を牽引していた。コペンハーゲンがショートパスを主体としたパスアンドゴーのプレス回避から反撃できていたのも波状攻撃を塞ぐためには大きかっただろう。
後半もバイエルンが押し込み続けるスタート。コペンハーゲンのスタンドの発煙筒の激しさはバイエルンが戦っている環境の過酷さを示すものだったと言えるだろう。
そんなスタンドの後押しを受けるようにコペンハーゲンは先制点をゲット。ゴンサウヴェスが手前に降りてライマーを惹きつけると、できた深さを生かして一気に縦に早く進み、最後はレラガーがゲット。ついに均衡を打ち破る。
対するバイエルンも切り札から反撃。ムシアラは1枚を剥がし、もう1枚が寄せる前にミドルがゴールをゲット。中央をこじ開けてバイエルンがスコアを振り出しに戻す。
さらにバイエルンはキミッヒが捕まらないようになってからより押し込めるように。コペンハーゲンはそれでもラインをあげようと試みるが、ここをひっくり返す形でバイエルンが勝ち越し。ケインへのロングボールでミュラーが裏をとり、最後は左サイドを駆け上がったテルがゲット。逆転に成功する。
終盤は攻め込み続けたコペンハーゲンだったが、ウルライヒが立ちはだかり攻撃をシャットアウト。コペンハーゲンは勝ち点を奪うことはできず、バイエルンは連勝スタートとなった。
ひとこと
コペンハーゲンはいいチームだと思うのだが、なかなか勝ち点がついてこない。
試合結果
2023.10.3
UEFAチャンピオンズリーグ
Group A 第2節
コペンハーゲン 1-2 バイエルン
パルケン・スタジアム
【得点者】
COP:56‘ レラガー
BAY:67‘ ムシアラ, 83’ テル
主審:オレル・グレンフェルド